中国メディア・環球時報は6日、新年早々南シナ海を巡る中国と日米、東南アジア諸国における論争が活発化したことかんして、中国国内の専門家が「今年は昨年ほど問題が先鋭化しない」とする一方、大統領選を控える米国による挑発的な動きに対しては警戒が必要であるとの見解を示したことを報じた。

 記事は韓国・聯合ニュースが5日、中国が南沙(スプラトリー)諸島に建設した空港で飛行試験を実施したことで、日米から強い批判が出る一方、アセアン内部の足並みは揃わず、カンボジアが中国支持の姿勢を示していると伝えたことを紹介。南シナ海の実効支配を強化する中国に対し、日本・米国・フィリピンの軍事連合が行動をさらに増やし、米軍艦船が再び中国が実効支配する島の12海里以内に進入するといった負のスパイラルに陥る可能性があるとの分析も出ていることを伝えた。

 そのうえで、アモイ大学の荘国土教授が「2015年は中国が対外貿易の主要ルートと位置付ける南シナ海での存在感を明らかに強化したことから、南シナ海が注目された1年だった。フィリピンやベトナムとの直接的な衝突はなく、米国や日本が干渉してきたことがより注目された」と語ったとした。そして、今年の情勢については「わが国の建設プロジェクトは引き続き進むが、テロリズム問題が緊迫化する可能性が高く、米国がそちらに精力を注ぐ必要が出るため、15年に比べて問題は先鋭化しないだろう」と予測したことを紹介した。

 一方、ある米国問題専門家が「今年は米国で大きな選挙があるため、中国についてあれやこれや言いだす可能性がある。われわれはしっかりと対応する準備をしなければならない」と語ったことを併せて伝えた。

 11月の大統領選に向けて、米国内では共和党、民主党両陣営による政治的、経済的な論戦が活発化している。昨今の大統領選期間では、中国問題が大きなテーマの1つとして掲げられ、中国の脅威をクローズアップするような論調が目立つようになる。前回、すなわち12年の大統領選期間中も中国問題が焦点となった。中国網は12年10月30日に「人民元レートの操縦」、「中国人が米国人の雇用を奪っている」、「中国が米国の経済的な安全を脅かしている」、「中国の外交は強硬的だ」、「貿易の不均衡」といった「中国カード」が大統領選で繰り出されたと報じている。

 共和党の指名候補であるドナルド・トランプ氏による過激な発言が話題を集めている今回の大統領選。11月8日の投票日までに、どのような「中国カード」が論戦の俎上に並ぶだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:/123RF)