尖閣諸島沖合の日本領海で26日に武器のようなものを装備した中国海警局の船が侵入したと日本国内で報じられたことについて中国メディア・環球時報は28日、「日本のメディアと日本政府が一緒になって煽り立てている」とする評論記事を掲載した。

 記事は、現在の尖閣諸島情勢について「日本は付近でラディカルな行動がとれないくせに口だけは減らず、自分たちが『所有者だ、実効支配者だ』と称している。日本の世論も中国船が進入するたびに新たな枝葉末節を探し出そうとする」と解説。今回の問題についても「中国の海上警備船に火器ががあるのはごく普通のことなのに、日本側はあたかも重大な発見をしたような騒ぎ方をする」と論じた。

 また、中国側が「正々堂々、顔と顔を突き合わせて話をするとともに、世論による扇動を回避しようとする」のに対し、日本は「協調的な行動を拒絶し、メディアの煽り立てに対して政府が抑制しないばかりか、それを外交上のリソースとして利用し、中国に対してあることないことをごちゃ混ぜにする」と断じた。そのうえで「どうやら中国はまじめすぎるようだ」とし、日本に対する世論戦を展開して尖閣諸島関連の話題を日本にばかり作らせず、自らも進んで世論に向けた情報づくりをしなければならないと提起した。

 環球時報は中国共産党機関紙である人民日報系の国際紙で、その論調は保守的で日本に対して強硬であることが知られている。「尖閣諸島の領海に入った中国海警局の船において初めて武器の装備が確認された」という内容に対して、「中国海警船に火器があるのは普通のこと」という反論は意図的に焦点を外したいささか強引な論理のように思える。記事はさらに「海上保安庁の大型巡視船にも武器が装備されている」という論理を展開して、日本側の指摘が荒唐無稽であるとしているが、そこには「釣魚島(尖閣諸島の中国語名)」という言葉は1度も出てこない。

 中国のネット上で、環球時報はしばしば「環球屎報」(環球クソ報。中国語で「時」と「屎」が似た音である)と称される。その論調が往々にしてあまりに過激かつ現実離れしたものであることに嫌気がさした、ネットユーザーたちの心情が込められたネットスラングだ。この言葉からは「中国はまじめで世論戦に興味がなかった」と称する張本人がちゃっかりと中国世論の扇動を試みて来たことが垣間見える。外交において世論戦をまったく展開しない「クソまじめ」な国などほぼ存在しないといっていいだろう。やり方が違うだけなのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)