中国では今月に入って華北地方を中心に最大規模の大気汚染が発生した。これに伴い、国内では大気汚染の予防や改善にかんする言論が再び活発化している。中国メディア・中国経済時報は25日、日本が法整備による厳しい規制、産業構造の転換に加え、市民の力を動員することで大気汚染を克服したとする評論記事を掲載した。

 記事は、日本でも1950-70年代の高度成長期に四日市ぜんそくなどに代表される激しい環境汚染、健康被害が発生したと紹介。この状況を克服すべく日本政府がまず法律の整備に着手し、62年の「ばい煙規制法」を手始めに、「公害対策基本法」、「大気汚染防止法」を制定、その後度々法規の改正を行ったと説明した。このほかにも「電気事業法」、「道路交通法」などにおいても大気汚染予防にかんする内容を盛り込み、法的な形で各種指標を示して罰則を設けたとした。

 続いて、80年代以降には低汚染、エネルギー節約型の産業構造へのモデルチェンジを加速させ、石油エネルギーへの依存低下、石油から生じる排ガスの減少に取り組んだと説明。日本政府は「クリーンエネルギー」、「クリーン生産」、「クリーン産業」という3つの「クリーン」方式を大々的に提唱したと伝えた。
 
 そして、「市民による環境改善への積極参加も重要なセクションの1つ」とし、「大気汚染防止法」において、当局に対する汚染源調査の実施および調査結果の開示、環境汚染を起こし得る建設プロジェクトなどへの規制、市民代表からなる公害監督委員会の設置などを求める権利を市民に与えたと解説。各地方において行政と企業、市民が公害防止協定を結び、市民が工場内部に立ち入って汚染排出状況を監視できるようになっていると紹介した。

 激しい大気汚染に対して、中国政府や地方当局は各種法規を整備し、違反者に対する取り締まりを強化している最中である。また、産業構造の転換はまさに中国経済の発展全体にかかわる問題であることから、政府が積極的に推進を図っている。これから求められるのは、法や制度を操る監督者の資質向上とともに、いかにして上手に「市民のパワーを発揮させる」かだ。政府や当局が市民に監督管理の強い権限を与える気概を持てれば、環境汚染問題はよりスピーディーかつ効果的に改善の方向へ進むはずである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)