中国メディアの新浪網によると、6日未明に内モンゴル自治区西部のアラシャン盟エジナ旗(漢字表記は「阿拉善盟額済納旗」)の総合執法検査站(総合公務執行検査ステーション)が襲撃された事件で、甘粛省側の警察関係者とみられる37人が13日、現場に入ろうとして内モンゴル側の警備員と「対決状態」になったことが分かった。

 現地は内モンゴル自治区最西部で、1958年から79年まで、西隣の省である甘粛省に「割譲」された。その後は内モンゴルに「復帰」した。甘粛省住人が内モンゴル側の土地利用は認められていないが、甘粛省側が土地不足として、エジナ旗の土地を開墾する者がいた。襲撃された総合執法検査站は、規則が認めない土地利用を取り締まる仕事をしていた。

 襲撃された総合公務執行検査ステーションは「ほぼ全壊状態」にまで破壊された。当局は現場周辺を立ち入り禁止にしていた。

記事によると、13日午後3時12分ごろ、甘粛省方向から自動車8台がやってきた。うち3台は警察のナンバーだが、多くの車はナンバーをつけていなかったという。車からおりたのは37人で、立ち入り禁止区域内に入ってきた。警察官の制服を着ていた者もいた。

 訪れた者は「甘粛省金塔県国土資源局の職員だ」などと言い、ステーションに強引に近づこうとしたため、内モンゴル側の警備員が阻止した。37人は20分ほど「対決」した後に、「暫定的に引き上げる」などと言って立ち去ったという。

 一方、金塔県のラジオ局は「県が国土、林業、草原管理などの部門を組織して、警察の手配のもとで、合法的に検査した」と報じたという。

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◆解説◆
 内モンゴル自治区は1958年から79年まで、北部が黒龍江省、東部が吉林省、西部が甘粛省に「割譲」されて、面積が3分の2程度になっていた。上記のアラシャン盟エジナ旗(盟、旗は内モンゴルの行政区画)付近は砂漠が多い一帯で、もともと「甘粛」と「内モンゴル」のはっきりとした境界線があったわけではない。

 中国の行政は縦割りの傾向が極めて強い。上記案件からは、2地域の行政が連絡と協議を行っておらず、「縄張り意識」で対抗している可能性が強いと言える。

 なお、現地付近では内モンゴル自治区側も甘粛省側も漢族、モンゴル族などが混住しており、少なくとも伝えられている情報から民族問題による対立を読み取ることはできない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF。エジナ旗内の胡楊林自然保護区)