中国メディア・新華網は18日、同国内では毎年「短命建築」の取り壊しで4600億元の浪費が発生しているとの概算を示すとともに、その理由が必ずしも品質の問題だけではないとする記事を掲載した。

 記事は、中国の「民用建築設計通則」にて重要建築や高層建築における主体構造の耐久年数を100年、一般建築を50-100年と定められているにもかかわらず、多くの建築の寿命がこれとはかけ離れていると説明。中国建築科学研究院の計算として、2011-16年に取り壊された建築の面積が年平均4億6000万平方メートルにのぼり、これによって生じた浪費額が4600億元(約8兆6000億円)に達すると伝えた。

 また、後を絶たない「短命建築」の原因が必ずしも品質の問題ではなく、「指導者が変わるたびに計画が変わる」、「GDP目標達成のため、壊して再び建設することでGDPを稼ぐ」、「土地価格の急上昇により、建物を壊して土地を売る」といった利益や業績作りが目的となっているケースが多いと解説した。

 先日報じられた天津市の「水岸銀座」を始め、西安で1999年に完成した高さ118メートルの高層ビル、鄭州で5年前にできた歩道橋、巨額投資して雲南省に建設した景観プロムナード、10年間も使わないうちに取り壊された瀋陽のアジア最大の屋内サッカー場……。記事が取り上げた事例はほんの一部であり、作って数年で取り壊してしまう「短命建築」は枚挙に暇がない。

 欠陥建築が「危険」として短命で取り壊されるだけでも「お金の無駄遣い」という印象が否めない。「誰も使わないから」、「計画が変わったから」といってまだ十分使えるのに取り壊すのであれば、なおのことだろう。住民や環境を軽視して、自己の利益や成果ばかりを考えてきた地方の一部為政者や開発業者によって「作っては壊し、作っては壊し」が繰り返される状況は、まさにGDPの成長しか見てこなかったこれまでの中国の経済成長が生んだ負の遺産と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Zhang Yongxin/123RF)