中国メディアの新浪網は15日「東南アジアの民衆はなぜ、中国人のように日本を恨まないのか」と題する論説を掲載した。「もともと植民地だったから」などの理由を挙げ、日本が戦争中に東南アジアで行った罪の数々をもっと研究すべきと主張した。

 筆者の中国人はかつて、マレーシアを訪れたことがあった。ある記念碑を見学していたところ、現地の人々が寄ってきて「日本人ですか?」と尋ねた。「日本人ではありません。中国人です」と答えると、寄ってきた人がいきなり、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったという。

 筆者は、東南アジアは第二次世界大戦時の前から(欧米列強の)植民地だったため、日本が新たな侵略者としてやってきても、中国や朝鮮のように強烈な衝撃は受けなかったと主張。

 東南アジアの人々が日本をそれほど恨んでいない理由として、第二次世界大戦時に大量の「欺瞞の宣伝」を行ったからと主張。「大東亜共栄」、「アジア統治から白人を追い出す」などの「欺瞞の宣伝」は、戦後になっても大きな影響を残したと論じた。

 また、日本は第二次世界大戦後半の早い時期に敗退を続けるようになり、当時の傀儡政権と親日分子を助けたと主張。そのため、戦後になっても東南アジア各国の軍事・政治の指導者は日本と一定の関係があったと指摘。ただし、シンガポールとフィリピンは例外と論じた。

 論説はさらに、戦後になり日本と東南アジアの関係は比較的順調だったと指摘。東南アジアにおける日本のソフトパワーの影響は米国よりも大きいとの調査もあり、東南アジアの国々は各分野における日本との協力を重視していると論じた。さらに、東南アジアにおける対日評価は、歴史認識の問題とは別と主張した。

 さらに、東南アジアの国々は比較的小国であり、さまざまな大国とバランス外交を展開してきたと指摘。大国である日本に簡単に「罪をかぶせる」ことは望まず、そのために歴史認識問題について、日本の罪状をないがしろにする場合が多かったのだろうと論じた。

 論説は、戦争中に日本が東南アジアで行った犯罪行為が、東南アジア各国にどのように影響したかを研究すべきだと主張した。

**********

◆解説◆
 第二次世界大戦終結までの話はここでは触れないとして、日本が戦後、東南アジア諸国との関係構築に努力してきたのは事実だ(ただし、ベトナムのように共産党政権が成立した国との関係構築が本格化したのは、おおむね冷戦が終結してから)。

 東南アジアの日本に対する評価は、戦争中までの関係構築と、戦後の一層の努力が積み重なったものと考えてよい。

 上記文章には、実に気になる点がある。筆者がマレーシアを訪問した際に自分を中国人だといったとたん、現地の人が逃げ去ってしまったことだ。日本人には親近感を示し、中国人には嫌悪感または恐怖感を示すということになる。筆者と同様の論法を用いるならば、中国の東南アジア社会に対するつきあいかたの「背戦争終結までと戦後」のありかたが原因ということになるが、上記文章は分析していない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)