集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法が成立したことに対し、中国では日本の「軍国主義の復活に向けた一歩である」などと批判が相次いだ。また、安倍晋三首相については「右寄り」であると批判する中国メディアも多い。

 一方、中国共産党機関紙・人民日報系の環球網は12日、中国で「日本の再軍事化までの距離」と題したフォーラムが開催され、上海師範大学の教授が同フォーラムで「自分は何度も日本を訪れたことがあるが、日本は平和を愛す国だと思う」と述べ、日本人も自ら「自分たちは平和ボケしている」と自虐的に述べているほどだと語ったことを伝えた。

 記事は、同教授がフォーラム上、「国際的な定義によれば、軍国主義とは戦争を目標としたうえで軍事機関を中心とした国家機構を確立することを指す」と述べたうえで、この観点から見れば「日本に軍国主義は存在しない」と指摘したことを紹介した。

 さらに同教授が、現代の日本は高い技術力を持つ国として、かつてのように国の領土を拡張する必要がなくなっていると指摘し、中国人が日本に対して「不安」を覚えるのは右傾化した極小数の日本人が日中関係の弱点を突いて煽動しているためとの見方を示したことを紹介した。また、日中両国は互いに対する認識を新たにするべきであるとし、それができれば日中関係が改善し、友好的に発展できるはずだと論じたことを伝えた。

 中国の大手メディアのあいだでは「日本の軍国主義の復活に警戒すべき」とする論調が今なお「主流」と言える状況だが、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が上海師範大学の教授による「日本に軍国主義は存在しない」との主張を紹介する記事を掲載したことは非常に興味深い。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)