中国メディア・網易は6日、日本人には愛国心がないという中国国内の言論に対して「愛国心がないのではない。スローガンを叫ばないだけだ」とする評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

 記事は、中国のネット上に「若い世代の日本人には奉仕の精神や国を愛する精神がない。その理由は愛国主義教育の欠如にある」との言論が存在すると紹介したうえで、この言論を「都合のいい解釈」と否定。その理由として「日本人の愛国教育は、スローガンを叫ぶことによるわが国の愛国教育とは別のもの」であることを挙げた。

 そして、「教科書の内容を詰め込んで育まれた教育は真の愛国ではないばかりか、過度に美化された描写は、成長後に教育に対して疑問を抱き、非愛国的感情を生むことになる」と中国式愛国教育を批判した。

 一方で、日本については小学生が学校付近のゴミ処理センターを見学して環境保護意識を培う取り組みが行われていることを例に挙げ、生きる環境、呼吸する空気、踏みしめる土地、隣人や友人を慈しむところから、自らの民族や国に対する愛を知るのであると論じた。そして、「居住環境すら大事にできないのに日本製品不買を声高に叫ぶような人間が、国や民族を大事にし、愛することができると思うのか」と問いかけた。

 社会主義国・中国のスローガン好きは、今や国内外に広く知れ渡っている。現代の日本でも学校で各種スローガンや標語を立てて校内に掲示したり、街には交通標語など書かれたポスターが掲示されていたりする。しかし、赤字に白、あるいは白地に赤などで建物の壁、道路の柵、広告看板にデカデカと張り出される中国のスローガンのインパクトに比べればはるかに小さい。

 思想を簡潔にまとめたスローガンは宣伝として便利だが、往々にして内容が形骸化する。宣伝を受ける側も「叫びさえすれば救われる」との浅い認識に陥りやすい。愛国心とは形骸化されたものを諳んじて身に着くものではなく、日常生活における経験を通じて自然と湧いてくるもの、ということを、この記事は訴えたかったようだ。(編集担当:今関忠馬)