中国メディアの環球時報は7日付で、台湾問題についての人民解放軍の王洪光中将による署名原稿を掲載した。王中将は台湾が(独立を許さないとの)中国の決意を試すことがあれば、「後には引かない。徹底的にやる」と、武力に訴えれば台湾を徹底的に破壊できると主張した。

 文章の背景には台湾で来年(2016年)1月に実施される総統選がある。これまでのところ、民進党主席(党首)の蔡英文候補(写真)が優勢とされている。民進党は「台湾共和国の建設」を基本綱領の筆頭に掲げている(独立綱領)。1999年には現状を変更するには住民投票を必要とする「台湾前途決議文」を採択したが、中国は「台湾独立を目指す勢力」として警戒している。

 王中将は文章の冒頭で、「新台湾加油(新しい台湾頑張れ)」のタイトルで放送された台湾のテレビ番組に注目。蔡候補が当選しても「中国共産党は(選挙結果の)現実を受け入れるだろう。台湾人が恐れる必要はない」との発言に注目。

 発言者は中国が戦争に踏み切らない理由として、イラン・イラク戦争や朝鮮戦争を例に、「戦争は双方に惨状を引き起こす」などとしたという。

 王中将はイラン・イラク戦争を例としたことはは発言者の「無知」を示すものと主張。同戦争では双方の実力が匹敵しており、宗教や民族の矛盾や領土問題が発端になって勃発したと説明し「大陸と台湾の関係とイランとイラクの関係は全くことなる」と主張。その上で「大陸と台湾の間にある台湾海峡だが、この浅い海峡ひとつが台湾のついたてになるか?」と論じた。

 さらに現在における台湾と大陸の軍事力について「もはや同じレベルではない。(大陸は)第4世代戦闘機の機数ならば台湾の6倍。台湾の旧式のF-16A/B型戦闘機で、台湾西部ないし台湾全島に遠距離ミサイルが何万発も降り注ぐのをどうやって止めるのか?」などと威嚇。

 台湾独立勢力が「それでも、どうしても大陸の決心を試すというなら、我々は後に引かない。徹底的にやる」と論じた。

 王中将は続けて「台湾で独立問題について大いに議論することは歓迎だ。われわれは本当に、宗思っている。真理というものがますます明らかになる」と主張。蔡候補は国民党主席の朱立倫候補による議論の申し出から「逃げ回ってばかりいる」と論じた上で「この選挙の機会に、独立問題をよくよく討論してほしい。台湾人民にとって有利なのは統一か、それとも分裂なのか?」として文章を締めくくった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)