なんとも「壮大な浪費」となった、陝西省西安市で15日午前7時、高さ118メートルの「環球西安中心(グローバル西安センター)」ビルが爆破撤去された。同ビルは1999年の完成後16年間、使われることがなかった。老朽化が激しく、すでに使用できない状態だったという。

 北京青年報によると、同ビルは製薬会社の金花制薬廠のオフィスビルとして建設された。金花制薬廠は金花企業集団傘下の主力企業だ。同グループは1990年代に急成長した民間企業だ。

 同集団は「環球西安中心」とその周辺の土地を工場用地として購入したが、2011年には工場が別の土地に移転した。2014年には敷地の使用目的を工業用から商業用にを変更した。

 北京青年報(電子版)によると、2014年に同集団は「環球西安中心」再開発で、建設企業と提携に向けての協議を始める見込みとの公告を出した。

 取材に対して同グループの幹部の1人は、「土地は2009年には売却することになった」と説明したが、売却先は放さなかったという。地元当局は、「環球西安中心」の跡地は総合商業施設になると説明した。

 中国では、建設されてから短期間しか使用されないビルの撤去が多いとして問題になっている。2007年には浙江大学湖浜キャンパスにあった22階建てビルが撤去された。同建物は完成してから使用された期間が13年間で「設計寿命は100年」などとされていたことから、多くの批判が集まった。

 完成後短期間でビルが撤去される原因として指摘されているのが、市など地元政府が開発計画を変更することだ。「新任の市長が自分の実績を誇示しようとして、それまでの計画を白紙にする場合がある」との指摘もある。

 それとは別に、中国のビルは寿命そのものが短いとの指摘がある。1980年代から90年代に建てられたビルの倒壊が相次いでいるからだ。これまでマンションなど集合住宅用建物の寿命は「少なくとも50年以上」とされていたが、実際には30年かそれ以下との見方も出てきた。

 中国が住宅についての社会主義的政策を変更して「自分の家は自分で買う」方式にしたのは1990年代だ。都市部のマンションなどが今後、想定よりも早く住めなくなる事態が多発すれば、社会に大きな不満が発生する恐れもある。(編集担当:如月隼人)(写真は北京青年報の16日付報道の画面キャプチャー)