「一人っ子政策」の副作用というべき少子高齢化が中国で急速に進んでおり、その勢いは、共産党中央に「一人っ子政策」の廃止決定を急がせる結果となった。高齢化により、中国は生産人口の減少や若者の介護負担増など日本がすでに抱えつつある社会問題に直面することになる。その1つが「悪質商法にはまって散財してしまう高齢者」の出現だ。

 中国メディア・石家荘新聞網は6日、新疆ウイグル自治区ウルムチ市に住む高齢女性が各種セミナーに参加してはその場で推薦される商品を市場価格よりはるかに高い値段で買わされ、見かねた息子が警察の助けを借りながら支払った金額の半分を取り戻したという事例を紹介した。

 そのうえで、高齢者が無自覚のうちに騙され、法外に高額な商品を購入してしまう事例が多発している背景の1つとして、子どもが多忙で高齢者に付き添っている時間が非常に少なくなっていることがあると論じている。

 日本でも、高齢者をターゲットにした悪質商法や各種詐欺が社会的な問題になっており、警察や国民生活センターなどを中心に被害を防ぐための呼びかけが行われている。国民生活センターは「お金」、「健康」、「孤独」という高齢者の3大不安を煽り立てることが悪質業者の手口であると指摘しているが、とくに「孤独」の不安が大きなウエイトを占めているように思える。

 中国で「空巣老人」という言葉が生まれてからすでに久しい。都市部では核家族化が進み、農村部では若い世代が出稼ぎのために家を離れる。「空っぽの巣」に取り残された高齢者たちは、子どもらの安否を気遣いつつ孤独感や寂しさを募らせていく。そして正常な判断能力が失われ、心の拠り所になりそうなものに容易にすがるようになるのだ。被害を少しでも減らすためには、家族による気遣いに加えて地域や社会ぐるみの見守りが必要と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)