中国の海軍軍事専門家・李傑氏はこのほど、香港拠点を置く衛星テレビ「鳳凰電視台(フェニックステレビ)」の番組に出演して、武器輸出を解禁した日本が東南アジアなどの周辺国に積極的に武器の輸出を始めた場合の、中国にとって脅威になりうる3つのポイントを紹介した。

 李氏は、「日本の武器装備のレベルは世界でもトップクラスと認めるべき」と主張。空の分野、潜水艦を含めた海の分野のいずれも「相当に先進的だ」との見方を示した。

 そして、これまで武器輸出3原則で規制されてきた輸出がひとたび解禁されれば歯止めがかからない状況になると主張。これまで米国から武器を購入してきた中国の周辺国に対し、今後は日本が場合によっては強引にでも武器を売りさばくようになる可能性があると論じた。

 李氏は中国周辺地域の装備や軍事力に直接影響を及ぼす可能性がある3つの事例を紹介した。まず、(実証用を除く通常動力タイプでは)現在世界最大級で、最先端の性能を有する「そうりゅう」型潜水艦を挙げ、オーストラリアに販売され、さらには現地生産や技術供与が行われれば、南シナ海の海峡封鎖といった巨大な影響を及ぼす状況が発生する可能性も出てくると主張した。

 次に、「US-2」飛行艇をインドに売ろうとしていると指摘。インドがUS-2を手に入れればインド洋さらには南シナ海にも関わる東への戦略を進められるようになり、中国が進める「一帯一路」の海上シルクロード戦略に重大な制約が生じる可能性があるとの見方を示した。

 李氏は最後に、日本が退役させたP3C対潜哨戒機を周辺地域に売り出すことへの懸念を示した。
海上自衛隊は2003年、防衛省技術研究本部と川崎重工業が開発した対潜哨戒機「P-1」の運用を始めた。これまで使い続けてきたP3Cは約80機あり、退役後にはフィリピンや台湾をはじめとする中国周辺地域へと売りさばく可能性があるという。

 李氏はさらに、すでにフィリピンに10隻売った巡視船も今後さらにシンガポールやベトナムへと売られる可能性があり、現実になれば実現すればアジア太平洋地域の安全に深刻な破壊をもたらしかねないと解説した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)