中国新聞社によると中国国連代表団副代表の王民大使は8日、国連で中国の分担金を増額する主張が出ていることについて反対する意向を明らかにした。中国国内では微博(ウェイボー、中国版ツイッター)で、貧困撲滅で大きな成果などと強調し、世界のいたるところで「カネのばらまき」をしているとして、自国政府を批判するコメントが集まった。

 国連では8日、2016-18年の経常予算案と分担金案についての説明があった。王大使は、これまでの計算方式を基礎に計算すれば、中国の負担が大幅に増加していると反発。「中国の経済全体は大きいが、1人当たりにすれば低レベル。正真正銘の発展途上国だ」と主張した。

 王大使は分担金について「中国をその他の発展途上国と区別するやり方に反対する。中国の支払い能力を超える計算方法は受け入れられない」と、拒否する考えを明らかにした。

 中国国営シンクタンク「中国社会科学院」に属するマルクス主義研究院国家文化安全及び意識形態建設研究センターは同問題を微博の公式アカウントに掲載。中国新聞社の記事要約に、「中国のGDP統計には水増しがある。西部の人民はいまだに苦しい。貧困人口は2億人だ。1人当たりの指標を見れば、いまだに発展途上国だ!」と付け加えた。

 国家として中国の“損”を最小限にすべきとの意見だが、一般ユーザーの反応は冷ややかだ。同センターを「支配機構の一員」とする見方から「あんたは人に向って、あんたの指導のもとで、国家は13億人の衣食問題を解決したと言っているよな。貧困人口は4500万人にまで減少させたんだよな。金を払う際になったら、貧困人口が2億人と言い出した。こんな人格(品性)を、だれが信用するか」との書き込みがある。

 「いたるところで金をばらまくからだよ。だから、金を持っていると思われる」との意見もある。中国政府は主に発展途上国との関係構築で、「相手に対していかに貢献しているか」を強調しつづけている。「バラマキ外交」を続けているから、国連にも負担の上乗せを求められたとの主張だ。

 さらに「GDP統計に水増しがあると、だれが言っているんだ? 証拠はあるか」との書き込みがある。「政府系公的機関」の公式アカウントでの「GDPには水増し」表明は、たしかに異様だ。

 「習はこれからも、カネをばらまきつづけろよな!」との書き込みもある。習近平国家主席の外交姿勢を皮肉ったと思われる。

 写真は123RF提供。9月に国連をおとずれた習近平主席。習主席は同訪問でも、総額10億ドル(約1195億円)を拠出しての「中国・国連平和発展基金」の設立やアフリカ連合への無償軍事援助を宣言した。

**********

◆解説◆
 2014年の国連への分担金は米国が6億2120万ドル(22.00%)、日本が2億7650万ドル(10.83%)、ドイツが1億8220万ドル(7.14%)、フランスが1億4270万ドル(5.59%)、英国が1億3220万ドル(5.18%)、中国が1億3140万ドル(5.15%)の順。

 最近における分担率の増減をみると、米国は22.00%と変わっていないが、日本は2012年が12.53%で、14年には2%近く低下した。独、仏、英国もそれぞれ低下した。中国は12年の3.19%から上昇した。

 国連分担金については、支払いの拒否や遅延などの問題もある。日本には支払い面で「最も律儀な国」との評価がある。中国の王大使は自国について「支払うべき額は期日通りに、1銭も欠けることなく支払っている」と強調した。 (編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Mykhaylo Palinchak/123RF.COM)