中国の大手ポータルサイト「騰訊網」は2日、「日本人はごみをポイ捨てしないとの神話は、いかにして形成されたか」と題する文章を掲載した。

 文章は冒頭で、2014年のサッカーW杯ブラジル大会で、試合終了後に日本人サポーターが「自発的ごみ拾い」をしたことを取り上げた。中国人は日本人の民度の高さに「震えるほど驚いた」という。文章は日本人サポーターが試合後にごみ拾いをしたのはこの時だけでなかったと論じた。

 文章は、ごみについての日本人の「民度」の根源は環境意識と主張。そして、日本人に環境意識が定着したのは、1960-70年代の経済高度成長期に発生した、深刻な公害問題が発端と紹介した。

 当時は環境汚染に激怒して「GNPなぞ、くそくらえだ!」と叫ぶ市民もいたと紹介。一方で、市民に環境意識が定着したからこそ、極めて細かい「生活ごみの分別」にも、しっかりと対応できるとの考えを示した。

 文章はさらに、日本では環境保護のための法体系が整備されたと指摘。「家電リサイクル法」、「食品リサイクル法」、「自動車リサイクル法」、「廃棄物処理法」などで、産業廃棄物を不法投棄した場合には、最高で懲役5年・罰金1億元(約19億円)が科せられると紹介した。

 文章は、「東亜において、ごみの分別をここまで厳格に実行できるのは日本だけ」と主張。「規則で守る」ことで世界的に有名なのはドイツ人だが、日本人はその「こだわり」で、まさに「東亜のドイツ民族」と呼ぶにふさわしいと主張した。

 記事は、英国から「日本人は物事を型通りに行う保守的な性格なので、創造力が阻害される」との批判がでたと紹介。その上で、「この批判に説得力はない」として、OECDとWTOが2013年に共同発表した貿易統計でも、日本国内におけるイノベーションによる価値創造が世界のトップクラスだったと指摘した。

 文章は最後の部分で「多くの人が日本を不愉快に思っているのは知っている」と説明した上で、「恨みを越えて、多く学び、他人の長所を多く理解するのは、絶対によいことだ」などと主張した。

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◆解説◆
 中国ではしばしば、日本とドイツが比較される。ただし多くは、第二次世界大戦に対する姿勢の違いで、事実を誇張してもドイツを称讃し、同様に誇張しても日本を批判する場合が多い。ただし、物事に取り組む姿勢や、その結果としての科学技術や産業の発展と言う点で、日本とドイツは似ているとの意見披露もある。

 中国では日中戦と第二次世界大戦の勝利70周年を祝うムードが高まった夏以来、日本とドイツを「対照的」に扱う論調が多かった。上記文章のような論点は、しばらく鳴りを潜めていた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)