ドイツメディア、ドイチェ・ヴェレの中国語版が20日、中国・天津市で現地時間12日発生した爆発事故にかんしてドイツやスイスのドイツ語圏メディアから、戦後70周年における歴史認識問題と絡めて「歴史を直視していないのはいったい誰だ」との論調が出ていると報じた。

 記事は、スイスの日刊紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」が「腐敗が命取りになりうる」と題して、中国経済における「官と商の癒着」が天津市の爆発事故を起こしたと指摘する文章を掲載したことを紹介。この文章の中で「当事者間に人情や金銭の関係があると、もっとも厳格な法規も役に立たなくなるということを、天津市の爆発事故が説明した」という批判的な論調が展開されたことを伝えた。

 また、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」が、「中国は日本に対して第2次世界大戦の暴行への謝罪を強く要求している一方で、共産党当局は自らが歴史を直視することを拒絶している」とする評論記事を発表したことを紹介した。

 同評論記事では、9月3日の軍事パレードで中国の戦勝70周年イベントは最高潮に達する一方で、中国当局が日本に対して仕掛ける「宣伝戦」はこれで終わりにはならないとし、習近平国家主席率いる中国当局が「ありとあらゆる話を使って、人びとに『日本の侵略についての記憶』を呼び覚まさせようとしている」と評している。

 中国当局の言い分によれば、「戦争によって中国では約3500万人が死亡」し、旧日本軍が中国国民に対して「巨大な苦痛をもたらした」とする一方、「しかし、中国当局が再三日本に歴史の直視を求めても説得力がないのである。中国政府自らも歴史を書き改め、回避しているのだから」と風刺した。

 評論記事はさらに、中国共産党当局はその統治下における「暗黒面」にかんする議論を認めていないとも指摘。
中国では文化大革命や大躍進政策で死亡した人数について「公の場で語る勇気を持った人がわずかしかいない」とし、旧日本軍による中国侵略で死亡した人数より「同死者数は多い可能性すらあるのにだ」とし、「日本に歴史の直視を求めているのに、中国共産党当局自身がそれをできていないのだ」と繰り返した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)