中国メディア・人民日報は4日、経済の低迷とともに社会的ストレスが高まっている韓国において、ぬり絵の本がストレスの解消ツールとしてブームになっていると報じた。

 記事は、スコットランドの画家が創作したぬり絵の本「ひみつの花園」が近ごろ韓国において、インターネットやテレビドラマを通じて飛ぶように売れていると紹介。その背景には、ぬり絵によるストレス解消効果を求める心理的な作用が働いているとし、「仕事がうまくいかなかったときに、ぬり絵で心を静める」という現地企業の女性従業員の話や、調査会社・ギャラップが先日発表した国家幸福指数ランキングで韓国が143カ国・地域中118位だったことや、ある調査では韓国国内で仕事をする人の43%が「仕事のストレスで眠れない」と回答したことなどを伝えた。

 そのうえで、韓国国内の書籍関連サイトがまとめた分析報告で、今年1-5月の同国におけるぬり絵類書籍の販売数が前年同時期に比べて426%増加し、出版数も126%増えたと紹介。現在同国内市場に出回っているぬり絵書籍は300種類あまりにも及ぶとした。

 そして、韓国のアートヒーリング専門家が「ぬり絵は現代人が心の癒しを求めていることをとてもよく表わしている。自分のレベルに合ったぬり絵を選んで色を塗ることで喜びを覚え、ストレスが和らぐのだ」と解説したことや、ソウル大学の心理学教授が「多くの韓国人は青少年時代に好きなおもちゃやゲーム、趣味の時間を勉強に奪われてきた。就職難や職場のストレスに直面した今の若者にとって、小さいころの楽しみを追憶することがストレス解消法の1つになっている」と論じたことを紹介した。

 その一方で、米国の作家からは「ぬり絵は大人にとって現実逃避の一種。世界的な金融危機がこの逃避文化を助長し、より人びとに子どものころの記憶を追いかけさせようとしている。しかし、この心地よい幻想はその場しのぎに過ぎないのだ」との指摘も出ていることを併せて伝えた。

 記事はまた、ぬり絵のほかにも書写の本、番号順に線をつないで絵を完成させる本なども韓国国内で続々登場して人気が出始めており、多くの人がこれらのツールを用いて達成感や満足感を得るとともに、ストレスを和らげようとしているとも報じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)fastfun23/123RF.COM)