中国国営通信社・新華社系のニュースサイト「参考消息網」は28日、米国で開発されたステルス戦闘機「F-35」への対抗策として、電子戦で先手を取って相手軍を攪乱(かくらん)し、F-35が「苦手」である接近戦に持ち込むことを主張する記事を掲載した。

 記事はまず、米空軍が1月に実施した模擬接近戦で、F-35が旧式の「F-16」に敗北したと指摘。F-35は、データリンクなどを利用して遠距離からの攻撃を行うための戦闘機であり、ドッグファイトは想定していないと解説した。

 そのため、中国軍は米国と交戦を考慮して、「軍事衝突の際、場合によっては開戦前に、通信衛星も含めて米軍の『C4ISR』システムを攻撃する」ことを明確な作戦にしていると指摘。中国軍は宇宙空間、ネット空間、電磁波空間すべてを一体化して、電子戦を遂行するという。

 現代の戦闘では、情報収集、意思決定、指揮統制などの情報処理システムが極めて高度かつ精密になった。C4ISRシステムは監視や偵察まで含めた情報処理システムで、米軍ではとりわけ発達している。米海軍が開発した艦船の防空戦闘を主たる目的とするイージスシステムも、C4ISRシステムの一部として機能している。

 記事は、米軍のC4ISRシステムを正常に機能しない状況に追い込み、F-35のデータリンクが失われる状況になった場合、F-35は個別の機体の搭載レーダーによってミサイルの照準を合わせることになると主張。その場合、F-35の位置を特定できる可能性が高まり、視界内にとらえて、包囲することも可能になってくると論じた。

 記事は「(米軍にとっての)未来の敵が、米国と米国の同盟国の基準のもとづき、米国と同盟国が強化した方法で、うやうやしく交戦するわけがない」と主張。「われわれの相手が、自らが失敗する方式の作戦を採用することは、ほとんどありえない」と論じはしたが、改めて「優秀な装備を持ち、十分な智謀と硬い意志を持つ敵と実際に戦う際、F-35はドッグファイトを強いられることになると予想できる」との結論を示した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)