中国ではこのところ、大型の「戦略爆撃機」にかんする記事が多くなった。大手ポータルサイトの新浪網は15日、「中国は、『H-6K』を戦略爆撃機にできる航空機がある。攻撃範囲はオーストラリア北部に及ぶ」と題する記事を掲載した。記事は、空中給油機と併用すれば、H-6Kでオーストラリア北部や米国西海岸の爆撃が可能と主張した。

 H-6は、1952年初飛行のソビエトの「Tu-16」をコピーした爆撃機で、1968年に初飛行に成功した。エンジンは中国国産の「WP-8(渦噴-8)」だ。中国は100機以上を保有しているとされる。2007年初飛行の最新型のH-6Kは、エンジンをロシア製のソロヴィヨーフ「D-30」に換装し、射程2500キロメートルの巡航ミサイル「CJ-10(長剣-10)」6発を搭載できるという。

 中国は一方では、空中給油機としてH-6を改造した空中給油機「HY-6」や、ソ連が開発した「Il-78」を保有している。HY-6の給油用燃料搭載量は40トン程度で、米国の給油機「KC-135E/R」の半分程度だが、空中給油によりH-6Kの作戦行動範囲を4000キロメートル近くに伸ばすことができるという。

 記事は、H-6Kは「1回の空中給油でオーストラリア北部の目的が攻撃可能になる。射程3000キロメートルのCJ-10を搭載すれば、米国西海岸にとって極めて大きな脅威になる」と主張した。

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◆解説◆
 中国で「戦略爆撃」関連の記事が多くなったのは、政権上層部が「空軍に新たな戦略爆撃機を保有させる」決断したとの報道があったことに関係していると考えられる。

 中国上層部の「戦略爆撃」の決定が事実とすれば、背後には米国などの「ミサイル防衛」の充実を、できるだけ遅らせる意図がある可能性がある。

 米国にとって現在のところ「本当に脅威を実感する中国の兵器」は、長距離弾道ミサイルと言ってよいだろう。中国が米本土や同盟国を攻撃できる戦略爆撃機を保有すれば、米国などは対策のために予算を割かねばならない。中国側の「戦略爆撃機の運用」が単なるはったり、いわゆる「ブラフ」だったとしても、相手側が「対策は必用」と判断する可能性は低くない。

 中国にとっては、米国のミサイル防衛が少しでも手薄になれば、対立や交渉で有利な状況を導きだしやすいことになる。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の上記記事掲載頁キャプチャー)