韓国メディア・亜州経済の中国語版は18日、優位性が見いだせない韓国の製造業が、中韓FTAにおいて最大の被害者になる可能性があるとする評論記事を掲載した。

 記事は、今月18日にロシアのモスクワ―カザン高速鉄道プロジェクトを受注するなど、中国高速鉄道が急速に世界で契約や商談を進めているのに対し、中国より4年早く高速鉄道を開通させた韓国の高速鉄道業界はいまだに何の輸出の成果も挙げていないことを紹介した。

 そのうえで、韓国貿易協会の首席研究員が「中国は広い国土面積を持っており、試験や商用の範囲も広いことが、高速鉄道技術の急発展を後押ししている。電気自動車、太陽エネルギー、風力発電などの技術でも韓国をリードしている」と分析、韓国はハイエンドスマートフォン、半導体、ディスプレイなどで引き続きリードしているもの、製造業全体を見れば「韓国はもはや中国にとって追いかける目標ではなくなった」と評したことを伝えた。

 また、今月5日に韓国政府・産業通商資源部が国会に対して提出した中韓FTAによる経済への影響評価報告のなかで、FTAを通じた貿易と投資の拡大によって今後10年間、韓国のGDPを0.95%押し上げるの予測が出されたことを紹介。一方で、業界によって状況が大きく異なり、FTAによって大きなダメージを受けるのは農林水産業ではなく、製造業であると分析されたことを報じた。

 このため、韓国政府が2025年までに製造業に対して8035億ウォン(約894億円)の財政支援を行う計画であると伝える一方、「問題は、急発展する中国の技術が(関税撤廃範囲が拡大する)10年以内に現在韓国に強みがある工業分野での競争力を高めた場合、韓国企業は完全にFTAから何のメリットも得られなくなる点だ」と指摘した。

 そして、韓国・崇実大学の経済学教授が「中国は製造業においてわれわれの予測を上回るペースで追いついてきている。韓国は危機意識を強化して、イノベーションのムードを創造するとともに、中核技術の開発に力を注がなければならない」と提言したことを併せて紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)