人民日報系ニュースサイトの人民網は11日、「古くて素朴な日本文化。浮世絵にある美景を鑑賞」との見出しで浮世絵を紹介する記事を掲載した。新華社によると天津西洋美術館で9日、浮世絵と現代作品の展示会が始まった。一方、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、アニメ演出家の中村健治氏の作品に浮世絵の影響が強いとして注目が集まっている。

 人民網は浮世絵をまず、「日本独特な不思議な芸術」と紹介。肉筆と水彩木版画の2種があり、内容は一般庶民や武士の生活、風景、歌舞伎役者、相撲などと紹介した。「浮世絵」の語源としては、本来は仏教の厭世思想の影響を受け「人生ははかない」とのテーマがあったが、江戸時代には生活を享受し、歌舞伎や愛情のとりこになり、流行を追い求めるように変化したと解説した。

 天津西洋美術館で展示する浮世絵は約70点。日本以外の木版画作家の個人蔵作品で、米国で木版画などを手掛ける美術家のルイ・チェンノート氏が現代木版画の制作技法を紹介する。

 微博で注目を集めているのは、中村健治氏が監督を務めた「化猫」だ。「化猫」はテレビシリーズ「怪~ayakasi~」中の1作品だが、同シリーズ全体が「浮世絵のような怪しげな雰囲気にあふれている」と紹介された。

 中国のネット民からは「見たよ!」、「こういう画風、好きだ!」「ストーリーがよい。素晴らしい画風」、「こういう画風のアニメは見たことがない!」などのコメントが寄せられた。

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◆解説◆
 浮世絵では、葛飾北斎、安藤広重、東洲斎写楽をはじめとして、多くの絵師が知られている。ただし木版浮世絵では、「彫師(ほりし)」、「摺師(すりし)」の極めて高度な技術があって、作り出すことができた。

 浮世絵の多くは多色刷り(錦絵)で、版木は色の数だけ作らねばならない。彫る際に誤差が許されないだけでなく、刷る際にも多くの版木がずれないようにせねばならない。しかも、髪の毛1本まで浮き彫りにするなど、極めて細かい表現をする。浮世絵は日本の職人の極めて高度な「匠の技」が生み出したと言ってよい。

 なお、浮世では美人画や「あぶな絵」と呼ばれた作品が重要なジャンルだったが、上記中国メディアは触れなかった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)