食品関連情報の専門サイト「中国食品機械設備網」は11日、「食品安全基準、実際には『安全』のためだけではない」と題する論説を掲載した。中国は食品安全基準を自国産業の保護のために利用しているという。筆者は食品問題評論家の雲無心氏。雲氏は米国も同様の手法を用いていると指摘した。

 中国と韓国の間では2005年ごろから“キムチ輸出戦争”が勃発した。双方が相手国に対する輸出を増やそうとした。結果は中国の大勝利。現在では韓国の飲食店などが使用するキムチの9割以上が中国産キムチとなった。

 中国産キムチが勝利した大きな理由は、価格が韓国産の3分の1程度であることだったが、「品質問題」もあった。“キムチ戦争”勃発当初、両国当局それぞれが、相手国産のキムチから寄生虫の卵が発見されたなど発表。外交問題化したが、双方は08年ごろ、歩み寄りを示した。

 しかし中国側はその後、輸入キムチについて「検出される大腸菌は100グラム当たり30個以下」という異常に厳しい基準を設けた。韓国産キムチの対中輸出は事実上、不可能になった。

 雲氏は同基準について、科学的根拠なしと指摘。通常の大腸菌ならば食品中にある程度含まれていても、発病性はない。さらに、発酵食品とはそもそも細菌の繁殖しやすい環境なので、大腸菌は存在するものだという。

 日本はキムチについて、中国ほど厳しい基準を設けていない。そのため中国のネット民の間では自国の基準を「日本や韓国よりも厳格」と賞賛する声があるが、雲氏は、「韓国のキムチは実際には高品質」と主張し、中国人は「安物のキムチしか食べさせてもらえない」ことになっただけと論じた。

 雲氏は、自国産業の保護または育成のために食品安全基準を利用するのは中国だけでないと指摘。米国もかんきつ類の輸入を、使用された農薬で規制した場合がある。欧州連合(EU)は同手法の「熟練者」という。

 キムチについては最近になり、中国側が大腸菌の基準を「1グラムに10個まで」と変更することになった。大腸菌数について突然、従前の30倍以上「緩和」されたことになる。

 雲氏は、「韓国でキムチ生産業者が、(パク・クネ)大統領に泣きついたのだろう。習近平主席が訪韓した際、大統領が習主席に『基準緩和をお願いします』と頼み込んだのだろう」などと推測してみせた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)