新浪網や観察者網など中国の一部ニュース/ポータルサイトは9日、日本軍機を撃墜したマークを塗装した台湾空軍機がお目見えしたと報じた。中華民国の第二次世界大戦戦勝記念として展示されるという。

 日本軍機を撃墜したとして「日の丸」を塗装したのは台湾の「F-16」戦闘機と「IDF」戦闘機各1機。第二次世界大戦時に中国国民党軍支援のために、中国南部や東南アジアを拠点として日本の航空部隊と戦ったアメリカ合衆国義勇軍(AVG、フライングタイガース)の機体塗装を模した。

 機首部分には、当時のAVG機と同様に、「歯をむいたサメ」の図案、主翼付近の胴体には、「相手に飛びかかる虎」が描かれた。

 AVGで「撃墜王」とされたロバート・H・ニエル中隊長機を模した機には、風防付近に日本軍機撃墜数を示す16の小さな「日の丸」が描かれた(撃墜数については異説あり)。もう1機には5つの「日の丸」が描かれた。

 台湾当局は、「中華民国は第二次世界大戦の勝利国」として、祝賀行事を実施することに決めた。ただし、台湾住民の多数を占める戦前からの住民と子孫(本省人)には、「当時の台湾は日本の一部で、台湾人は日本人ともに戦って敗れた」などと、違和感を持つ人も多いと言う。

**********

◆解説◆
 台湾では、戦後になり国民党とともに大陸からやってきた人とその子孫を「外省人」と呼ぶ。

 国民党の党是は、「台湾は中国の一部」だ。ただし現在では、国民党関係者や支持者が必ずしも明確な「ひとつの中国」支持者とは言えない状況になっている。外省人系台湾人でも世代が若くなるにつれ「台湾で生まれ、台湾で育った。中国大陸は私の故郷ではない」との意識が強くなるからだ。

 馬英九総統は、両親が大陸出身で、香港で生まれ直後に台湾に渡った。「外省人」との意識がはっきりした一家に育ったが、自分自身に大陸での生活の記憶はない。馬総統のような境遇の人は、「自分が中国人であるような、ないような感覚を持っている場合が多い」との指摘がある。

 政党についても、国民党は「外省系」、最大野党の民進党は「非国民党・本省系」との区別は、曖昧になりつつある。馬総統と厳しく対立する国民党所属の王金平立法院長(国会議長)は1941年に現高雄市で生まれた本省人で、「台湾独立も選択肢のひとつ」と発言したことがある。

 台湾の地方政治において政治家に強く求められるのは、“国のあり方についての考え方”よりも、地元に利益をもたらすこととされる。民主制度では普通のことだが、金権政治をもたらしやすいとの批判もある。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の上記記事掲載頁のキャプチャー)