中国の大手ポータルサイト「新浪網」は5月29日「米原潜はなぜ、中国海軍の最大の脅威なのか。わが空母『遼寧』は餌食かも」と題する独自記事を発表した。同記事は沖縄、台湾、フィリピンなどを結ぶ「第一列島線」の内側であれば、米原潜への対抗がかなりの程度可能になってきたとの見方を示した。

 中国では「空母」に対する関心が高い。台湾で1996年に初めて実施された普通選挙方式による総統選を妨害しようとして中国は台湾近海にミサイルを撃ち込むなどしたが、米海軍が空母群を出動させたことで、中国の威嚇は“なしくずし”になった。

 2012年に同国初の空母「遼寧」の運用を始めたことも、空母に対する関心を高めた。中国では対艦攻撃力を持つ戦闘機などが「空母キラー」として紹介されることが多いが、新浪網は「最も恐ろしい空母キラー」は米海軍の攻撃型原子力潜水艦と指摘。

 米海軍は攻撃型原潜として「シーウルフ」級を3隻、「ロサンゼルス」級を40隻、「バージニア」級を11隻、全世界の海に展開しており「必要応じて相手に致命的な一撃を加える」と紹介した。

 自国海軍については「対潜水艦能力の低さが一貫して問題だった」と認めた。ただし、中国は最近、最近は対潜水艦作戦用の航空機や水上艦を大量に導入しており、米国の攻撃型原潜は船体が大きいため、「第一列島線の内側では(探知されやすいなどで)米原潜は明確に優位ではない」と主張。

 その上で、「公海に出れば、状況は全く異なる」と表現。中国側に米原潜に対抗できる力がないことを認めた。

 自国空母の「遼寧」など「防空能力を備えた艦はある」と主張した上で、「米国の腹黒い魂胆により、戦時になればわが国の水上艦隊は、第一列島線の外に出られない」と論じた。

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◆解説◆
  中国では第一列島線の内側を「自国の内海」と見なす感覚が強まっており、その外を「公海」とする表現が、よく用いられる。実際には第一列島線の内側にも日本など他国の領海や排他的経済水域(EEZ)があるが、「他国の権利との調和」との視点は忘れられがちだ。

 さらに中国は尖閣諸島の領有権を主張しており、排他的経済水域を「自国から伸びる大陸棚の端(沖縄トラフまで)」と主張しているので、中国は日本に近い水域において、東シナ海ほぼ全域が自国のEEZとみなしていることになる。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網が掲載した上記記事の頁キャプチャー)