中国の駐ドイツ大使館経済商務参事処は27日、公式サイトに「ドイツの鉄道会社が中国の高速列車を大量購入の計画」と題する文章を掲載した。同文章は本国の中央政府・商務部の公式サイトにも掲載された。

 文章は、ドイツではすでに報道されたとして、ドイツ最大の鉄道会社であるドイチェ・バーンが今後3-5年内に、「鉄道機関車と部品の購入において、中国を重要な供給源とする」考えと紹介。今年(2015年)秋には北京に事務所を解説し、中国鉄道車両・設備の二大大手である中国南車、中国北車との協力関係を強化するという。

 ドイチェ・バーン役員のハナガルト氏は「中国政府は鉄道工業の輸出に注力している。高速列車の輸出も、借款などで支持している。さらに製品の品質は格段に向上している」と述べたという。

 中国南車と中国北車は合併に向けた作業を進めている。合併後は全世界の鉄道機関車の需要の半分はまかなえる会社規模になるとされる。ドイツの鉄道機器大手、シーメンスは「国際的なライバルに対しては積極的に対応する」との考えを示した。

 もはや日本企業や日本国民も、国際的には「日本は高速鉄道大国で中国は日本のパクリ」などと言っている場合ではなさそうな気配すらうかがえる。
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◆解説◆
 ドイツは1991年、同国開発の高速鉄道ICEの運行を開始した。当初はフランスのTGVと同様の機関車方式だったが、1999年には動力分散・振り子式車両のICE Tを投入した。機関車方式は機関車で牽引(最後尾で客車などを押す場合もある)方式で、動力分散方式は一部またはすべての車両にモーターを据え付けるなどで動力を得る方式だ。

 上記文章で、ドイチェ・バーンが購入計画を進めるとされているのは「機関車」だ。中国が「高速鉄道用車両」としているのは、日本などから採用した車両に「何らかの技術」を追加したとされる「CRH」シリーズで、いずれも「動力分散型」だ。

 中国は高速鉄道建設にあたり、「他から得た技術を研究して自らの技術とする」、いわゆる「リバースエンジニアリング」を実施してきた。高速鉄道用の機関車には導入経験も運行実績もない。

 上記文章にはあいまいな点も多いが、仮にドイツが中国から「高速鉄道用機関車」を輸入するとすれば、製造にあたっては中国に改めて「技術供与」をせねばならない可能性がある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)(イメージ写真提供:123RF/ドイツ南西部のオッフェンブルグ付近を走るICE)