中国が、航空母艦の建造に本格的着手した模様。「米ニミッツ並みの原子力空母」、「艦載機射出のためのカタパルトを搭載。電磁式の可能性も」との見方も出ている。中国メディアの中網資訊が報じた。

 軍側が「保有2隻目の空母」の建造計画を正式に発表したわけではないが、建造の意向そのものは明らかにしている。

 新空母を建造しているとされるのは江南造船集団で、上海市郊外にある造船所では最近になり、上海振華重工から購入した1600トンクラスのゴライアスクレーンが据え付けられた。

 ゴライアスクレーンは船のブロックを搭載するために用いられる。上海振華重工はこれまでに、英国の1000トンクラスのゴライアスクレーンを売ったことがある。同クレーンは6万トンクラスの豪華客船の建造を念頭としている。

 そのため、1600トンクラスのゴライアスクレーン設置は、「10万トンクラスの空母建造のため」との見方が出た。船体の大きさから、同空母の動力は原子力であり、基準排水量が8万トン以上の「米ニミッツ級に匹敵」との見方が出た。

 一方で、グーグルアースの写真などから、上海市郊外には空母搭載のカタパルトの実験用と見られる施設が存在することが分かった。

 空母搭載のカタパルトは現在、米国の独占状態と言ってよい。中国国防大学の李莉准教授は、これまでに撮影された空母の建設現場やカタパルト実験施設とみられる写真を見て「事実ならば、わが国が航空母艦にかんする先端技術分野で土台が固めの戦略的突破がなされたことになる」と述べた。

 海軍軍事学術研究所の曹衛東研究員は、「遼寧」のようなカタパルトなしの空母では、固定翼の早期警戒機は飛ばすことができず、空母の作戦能力は大きな制約を受けると指摘。「わが国の工業レベルと資金力、技術力が十分であれば、次の空母は電磁式カタパルトを採用することになるだろう」と述べた。

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◆解説◆
 空母のカタパルトを最初に実用化したのは英国で、油圧方式だった。米軍も第二次世界大戦中に空母のカタパルトを実用化した。日本では戦艦などが水上偵察機射出のためのカタパルトを備えていたが、空母用カタパルトは実用化できなかった。

 米国は戦後、蒸気カタパルトを実用化した。従来型動力の空母では、カタパルトを連続して用いると蒸気が不足して射出能力が低下する問題があったが、強大な熱源を持つ原子力空母の登場で問題は解消された。米国は現在、リニアモーターを利用する電磁式カタパルトを開発中だ。

 蒸気式にしろ、電磁式にしろ、空母搭載のカタパルトで技術面での最大の難しさは、大量のエネルギーの蓄積と放出を短期間に繰り返すことにある。電磁式の場合には、容量が極めて大きなウルトラ・キャパシタ(電気二層コンデンサ)の開発が鍵になるとされる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)