中国で、日本人の交通マナーを称讃し、うらやむ声が高まっている。自動車と通行人が譲り合い、感謝し合う様子を「双方が心を通わせている。楽しいのだろうな」と評したメディア関係者もいる。

 きっかけは、四川省成都市で3日に撮影されたとされる動画だった。前を走る車が急に車線変更をしたとして男のドライバーが腹を立てた。いったん追い越してから、強制的に停車させた。立体交差の橋の下で、赤い乗用車から運転していた女性を引きずり出して、路上で殴るけるの乱暴を働いた。

 当初は男を非難する声が圧倒的に多かったが、「女性は車線変更が認められない場所で車線変更をした」とする目撃者も出始め、女性側を批判する声が増えた。中国の衛星放送のフェニックステレビが自社サイトでアンケートを実施したところ、16万7000の回答が寄せられた時点で、事件の原因を「女性が規則違反の車線変更をしたこと」との見方を示した人が回答者の63.77%、「女性にも責任はある。そのうえ自分で認めない」は84.7%に達した。

 大手ポータルサイトの新浪網は6日、同問題に関連して「日本人は運転の際、道路で遭遇すれば『互いに賓客であるかのように尊敬』」と題する論説を発表した。

 同論説は、「日本が国が小さく道路も狭い。自動車は車線について、互いに思いやることが基本の理念になっている」と指摘。

 論説はさらに、2011年3月11日に東日本大震災が発生した際には、原発事故の影響を恐れて自動車で逃げ出す人が多かったと指摘。高速道路は大渋滞になったが、緊急車両を通すために、路肩に入る自動車はなかったと紹介した。

 また、日本人の交通マナーとして、「自転車が歩いている人に接近した場合には『すみません』と声をかける」、「歩いていて、自分よりも速く歩く人が後ろに来れば、いったん止まって通路を譲る。譲られた人は、『ありがとうございます』と礼を言って頭を下げる」ことなどを紹介した。

 中国メディアの財経網は微博(ウェイボー、中国版ツイッター)の公式アカウントで、日本で子どもが車道を横断する様子を紹介した。日本人の子どもが道を横断してから、とまってくれた自動車にお辞儀をする様子を示し「双方が心を通わせている。楽しいのだろうな」と評した。

 同書き込みに対して、日本旅行の際に似た光景を見たとのコメントも寄せられた。日本人の子どもの交通マナーが紹介されたことで、「教育が大切」との意見も寄せられた。どの国の子であれ、「先天的に交通ルールやマナーを守ることはありえない。小さいころから教育をしっかりすれば、民度は向上する」と主張した。

 日本人の交通ルールやマナーを学ぶべきでないとの意見がある。「極端なまでに徹底している」からで、「学ぶ必要があれば欧米に学べばよい。日本はわれわれと比べて距離がありすぎる。学んでも定着できない」からという。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網が掲載した論説頁のキャプチャー)