広東省の南方報業伝媒集団発行が発行する「南方都市報」30日付によると、中国桜花産業協会の何宗儒会長は29日、桜の原生地は中国であり、日本でも韓国でもないと述べた。その上で、桜は「日本で光り輝く存在になった」と主張した。なお、少なくとも日本の研究者は桜そのものについて「自国の固有種」とは主張していない。その意味で、何会長の「力説」はややピントはずれだ。

 日韓の“桜論争”は、18世紀に日本での品種改良で誕生したことが定説だったソメイヨシノについて、韓国文化庁や韓国国立山林学院が「済州島の王桜が起源」と主張したことで始まった。韓国側論者が特にこだわるのは、東京都が米国ワシントンD.Cに贈ったソメイヨシノで、毎年春先ごろには「実際には済州島の王桜だ」とメディアがこぞって報じる。

 ただし、王桜は1908年にフランス人神父が初めて採取。新種と確認されたのは1912年初頭だ。東京市(当時)の尾崎行雄市長がワシントンに桜の苗木を贈ったのは同年3月。韓国の一部研究者は韓国を支配していた日本が済州島より大量の王桜を持ち帰り、改良した上で大量に増やして米国に贈ったと主張するが、歴史を改竄でもしないかぎり、ありえない「ドラマ展開」だ。

 一方、中国桜花産業協会は29日に記者会見を開催し、何宗儒会長が「われわれは日韓に論戦を挑むのではない。事実を述べるだけだ。多くの史料と証拠は桜が発生したのは中国であることを示している」と強調した。

 何会長は、桜が原生していたのはヒマラヤ地域(現・チベット自治区)と説明。中国の唐代に日本にもたらされたと述べた。なお、日本の研究者も「桜はヒマラヤ地域から広まった」と広く認めており、何会長の主張と特に矛盾はない。

 何会長は「桜の起源は中国にあり、日本で光り輝くことになった。韓国は何もしていない」と述べた。

 中国桜花産業協会は2013年に発足した民間団体。本拠地を広州市に置く。桜文化の普及や関連産業の振興などを目指す団体だ。(編集担当:如月隼人)(写真は江蘇省南京市の鶏鳴寺門前で満開になった桜。29日撮影。CNSPHOTO提供)