中国のニュースサイト環球網は19日付で、「日本のリージョナルジェット『MRJ』、後から来たが鼻息は荒い」と題する記事を掲載した。同サイトは「愛国論調」で知られるが、文章に特に反日的雰囲気はない。自国が開発中の「ARJ21」との比較を交え、MRJの長所と短所を紹介した。

 まず、日本は第二次世界大戦後、米国に航空工業と研究を禁止されたと紹介。その後、朝鮮戦争の勃発とともに米国は政策を変え、日本には米国から技術が移転されたと指摘。日本は航空機の修理や生産を行うようになり、航空機開発でも成功事例を多く出したと時代の流れを追った。

 戦後初めて日本のメーカーが開発した旅客機の「YS-11」については、日本が総力を挙げて取り組んだと紹介。ただし、航空業界がジェット機に向っていた時代に「ターボプロップエンジン」にこだわるなどで失敗し、YS-11は大きな損失を出したと論じた。

 その後の日本の航空工業界については、国際的協業を通じて自らの技術水準を迅速に引き上げたと指摘。日本の航空工業の「夢」としてMRJの開発が決まったと紹介した。

 文章は、民間旅客機の分野で新規参入する場合、支線に就航し客席数も少ない「リージョナルジェット」が例外なく“突破口”になると指摘。現在はブラジルの「エンブラエル」とカナダの「ボンバルディア」がそれぞれシェアが30%台と紹介し、MRJを売る三菱重工業は(当初計画のように)2020年までに2500機を売ることができれば、先行2社との立場が逆転することになると論じた。

 ただし、先行2社が手をこまねいているはずもなく、中国やロシアも同じ分野に参入するとして、競争激化は必至と指摘した。

 文章はMRJの最大の強みは、燃料効率の大幅な向上と主張。ただし、エンブラエルの「E-Jet」の登場で、MRJの優位性はなくなったとの見方を示した。

 さらに中国のARJ21は燃料効率の面で優位性はないが、エンジンに実績があり信頼性の高いゼネラル・エレクトリック社の「CF34」を採用していることは、売り込みの際には極めて大きな意味を持つと主張した。

 MRJについては、全日空や日本航空からだけではなく、米国のスカイウェスト航空が100機を予約し100機のオプションを獲得したなどで、「西側の主力市場で良好な基盤を築いた」と評価。

 ARJ21については、253機を受注したと紹介。「ほとんどが国内からのものだが、かなりの利益をもたらすことになる。ブランドイメージの向上にもつながるだろう」との考えを示した。(編集担当:如月隼人)(写真はMRJを紹介する19日付環球網の記事のキャプチャー)