中国では日本の伝統工芸品に対する関心も高まっている。多くの場合には中国で生み出された技術だとした上で、日本の「学習」と「改善」能力に改めて注目する論調も多い。漆器の場合にはネット通販でも出品されることが多くなった。

 中国共産党機関紙の人民日報系のニュースサイト「人民網」は2日、「組図:日本の漆器芸術鑑賞」の見出しの記事を配信した。西側国家が日本を「漆の国」と称するのは“誤解”と主張し、理由として中国では2000年前に、漆器が高い水準に達しており、日本には唐代に伝わったと紹介した。ただし日本が「中国から学んだものを消化吸収し、自らの民族的特徴がある芸術として深め、新たな領域を不断に開拓した」と、日本の漆器の水準の高さを全面的に認めた。

 江戸時代には「蒔絵(まきえ)」の完成により、日本の漆器は「世界最高」になったと紹介。明治以降は、日本の工芸技術は伝統と現代の間で「徘徊」することになり、経済性と生活への適応性も意識されたと説明し、日本の工芸品は中国など東方国家の文化を吸収し、西欧のデザイン文化も取り入れ、「極めて特徴的な『日本の風格』を形成することになった」と評価した。

 文章は「漆関連の仕事には、陶磁器関連についで多くの人が従事している。彼らは漆技術の芸術性や実用性だけでなく、歴史や科学技術を含めて総合的に研究をし続けている。彼らの不断の研究と更新が、日本の漆技術の発展を推進している」と紹介した。

 同ページは写真も多く掲載した。伝統的な器などだけでなく、漆を使った万年筆や腕時計なども紹介されている。

 中国の大手通販サイトのアリババでは、「日本漆器(日本の漆器)」として、多くの品が出品されている。ただし、日本円に換算して数百円以下のものが主流で、主に合成漆器と思われる。出品者が中国国内の漆器工場である場合も多く、日本向けの品を中国国内向けに販売している可能性がある。中国大陸で日本の「本物の漆器」が広く知られるようになるには、まだ多少の時間がかかると考えられる。

 台湾ヤフーのオークションでも日本の漆器が多く出品されている。それほど高価でないが、日本統治時代から残っていたとみられる品が目立つ。「台湾総督府の紀元(皇紀)2600年記念の漆の酒杯」には4日午後1時現在、7500台湾ドル(約2万8600円)の値がついている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)