米国出身で日本でお笑い芸人として活躍するパトリック・ハーランさん(パックン)が2014年夏に「ラーメンは中国で生まれ、日本で育ち、アメリカで死んだ」とつぶやいた。なぜか中国では2015年2月25日ごろ、写真とともにパックンのつぶやきが伝わった。「これはラーメンではない」、「日本のラーメンと中国のラーメンは違うのさ」など、麺(めん)談義が始まった。

 パックンは米国における「変わりラーメン」を紹介した。ピザのトッピングになったラーメン。ハンバーガーのバンズ代わりになった麺、ラーメンを使った太巻き寿司などを紹介した。そして「ラーメンは死んだ」と称した。

 パックンのつぶやきを、中国のニュースサイトの観察者網が25日付で記事掲載した。26日になって、微博(ウェイボー、中国版ツイッター)に転載された。するとコメントが集まり始めた。

 「加州牛肉麺(カリフォルニア牛肉麺)」とだけ書き込んだ人がいた。「米国」と「麺」から中国人がまず連想するのが「加州牛肉麺」だろう。飲食業で成功した在米華僑の呉京紅氏が1985年に帰国して展開したチェーン「美国加州牛肉麺大王」の主要メニューだ。米国料理ではない。中国風のスープ麺だ。しかし「米国料理」と思っている中国人もいるようだ。

 「これは即席麺だ。ラーメンではない」と書き込んだ人もいる。中国語でラーメンは「拉麺」だ。「拉」は「引く」の意。麺打ち職人は生地のかたまりを持って立つ。胸の前でぐいっと左右に引っ張る。生地は長く伸びる。生地を2つに折る。落下する前に素早く空中で折る。再び右手と左手で左右に引く。再び生地を折る。今度は4本になる。これを繰り返して本数を増やすと同時に次第に細くする。日本の冷麦程度か、それ以上に細い麺を作ることのできる名人も珍しくない。

 中国人にとって、この方法で作った麺以外は「拉麺」とは認めがたい。したがって「ラーメンではない」との指摘が複数寄せられた。それに対しては「日本のラーメンと中国の拉麺は全然違うものなのさ」と説明する人が出た。

 最近では中国でも日本のラーメンが知られるようになった。通常は「日本拉麺」と紹介されている。日本旅行のガイドでは、東京など主要都市の「名店」が紹介されている。日本では「拉麺」の語が、中国ほどには厳密な意味で使われていないことを知る人も、増えてきた。

 「突然、食べたくなったぞ」と書き込んだ人もいる。パックンは「死んだ」と酷評したが、投稿者は写真を見て食べたくなったようだ。現物が目の前になくても、食べ物の写真を見せつけられると、どうにも食べたくなることがある。このあたりの感覚は、どの国の人でも変わりはないようだ。(編集担当:如月隼人)(写真は観察者網の25日付報道の画面キャプチャ)