台湾の世論調査会社「台湾指標民調(TISR)」がこのほど発表した政治家や政党についての評価や好感度の調査結果によると、与党である国民党に対する好感度指数は34.9ポイントで、中国共産党に対する30.8ポイントをやや上回った。最大野党の民進党への好感度指数は49.9ポイントだった。政治家個人については、、好感を示した人の割合が最も多かったのは陳菊高雄市長(72.5%)で、最も低かったのは馬英九総統(好感=28.8%)だった。

 調査の対象期間は「1月後半」。好感度指数は、ある対象に対して「大いに好感を持つ」と答えた人の割合をA%、「大いに好感を持つ」をB%、「やや好感を持つ」をa%、「やや好感を持つ」をb%として、「50+0.5×(A-B)+0.25×(a-b)」の数式で算出した。好感を持つ、それも「大いに好感を持つ」人が多いほど、数値は50よりも大きくなる。反感を持つ人、とりわけ強く反感を持つ人が多いほど、数値は50を下回っていく。

 国民党に対する好感度指数は34.9ポイントで、中国共産党に対する30.8ポイントをやや上回った。最大野党で14年11月の統一地方選挙に大勝した民進党への好感度指数は49.9ポイントだった。

 なお、民進党の支持率も、基準である50ポイントに届かなかったことも、注目に値する。この調査結果によれば「台湾人の民進党を見る目は意外に冷静」だ。14年11月の統一地方選挙での大勝の理由は「馬英九政権が失策を重ねた」という“敵失による高得点”によるとの判断も成り立つ。

 台湾では2016年に総統選挙が実施される。現在のところ、民進党が有利との見方が強いが、実際には予断を許さない状態と考えてよい。

 政治家個人に対しする好感/反感で、好感を示した人の割合が最も多かったのは陳菊高雄市長(好感=72.5%、反感=13.4%)だった。好感度が最も低かったのは馬英九総統で、好感=28.8%、反感=65.9%」だった。国民党では、王金平立法院長(国会議長)が「好感=63.6%、反感=20.2%」で、好感度が最も高かった。王立法院長は馬英九総統と同じ国民党所属だが、馬総統と厳しく対立している。2014年に発生した学生による議会占拠の際にも、独断で学生側に「改善策」を約束したことが、問題解決のきっかけとなった。

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◆解説◆
 台湾では中国共産党に対する不信感や警戒感が根強い。民主的に政権担当者を選ぶようになった台湾が大陸との関係で「現状維持」を続けていることが、その第一の証拠と言える。共産党側の主張を受け入れて「統一」すれば、「万一の戦争」という破滅的な事態は避けることができるかもしれないが、「その後、何をされるか分かったものではない」という“恐怖感”がぬぐえない。

 「台湾と中国は別の国」と考える人が多いにも関わらず、「即刻の独立宣言」が世論の主流にならないのは「そんなことをしたら、中国共産党が何をするか、分かったものではない」と思えるからだ。結局は、実質的には中国の統治とは無関係な“独立的存在”でありながら、形式的には「中国からの独立」を宣言することはしない、あいまいな状態である現状を維持していくというのが、現時点における“民意の選択”だ。

 台湾の多くの人にとって、複雑な気持ちをぬぐうことのできない“海の向こうの政党”である共産党への好感度と、選挙により与党となった国民党への好感度がそれほど変わらないという、異常な結果となった。(編集担当:如月隼人)