中国メディア「環球時報」は29日付で、カナダで出版される中国語軍事情報誌の漢和防務評論が、瀋陽飛機工業集団が開発したステルス戦闘機「J-31(殲-31)」を酷評したと伝えた。中国で、同機の設計目標が「ライバルである米国の『F-35』を撃墜すること」との言い方があることを「おおぼら」と切って捨て、「せいぜい韓国の『FA-50』と比較できる程度」と論じた。

 漢和防務評論によると、最近になり広東省で開催された珠海航空展で、J-31の輸出型モデルとされる「FC-31」の飛行を見学した。まず驚いたのが、「真っ黒な煙を出しながら飛ぶ」ことだったという。ステルス性に影響しないかとの疑問があるが、記事によると、それよりも本質的な問題がある。

 運動能力の不足だ。上昇力はパワー不足。旋回性もよくない。そして、前記性能に関連する数字は発表されていない。記事は、「本当に高性能ならば、数字を発表するはずだ」との見方を示した。

 そのうえで、「現在に至るまで、西側国家または日本の専門的な軍事雑誌が、FC-31の運動性が良好、または空戦でF-35を撃墜できる能力があると評価した例はない」と指摘した。

 記事は、中国の専門家には「おおぼら吹き」という特徴があると主張。例えば、2012年に初飛行したFC-31の設計については「巨大な成果を実現した。すべての設計過程をコンピュータ化した。ペーパーレスだ」などと強調したという。記事は「私の記憶に間違えがなければ、1990年代から(ロシアの)『Su-30』や『Su-35』シリーズで、戦闘機の設計はすでにコンピュータ時代に突入していた」と皮肉った。

 記事はあらためてFC-31の設計について「せいぜい韓国のFA-50と比較できる程度」と論じた。

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◆解説◆
 FA-50は同国の練習機であるT-50がベースになっている。T-50は米ロッキード・マーティンから技術的支援を受けて大韓民国が製造した。初飛行は2002年8月。

 T-50は練習機だが、軽攻撃機としても使えるように設計されている。FA-50はレーダーや兵装をさらに強化し、軽戦闘爆撃機として使えるようにした。

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  漢和防務評論は中国出身でカナダで活動する軍事評論家の平可夫氏が創刊し、編集長を務める軍事雑誌。漢和とは「中国と日本」を指すとされ、これまでに中国と日本の兵器の比較をしばしば発表している。

   平可夫氏は日本留学の経験もあり、中国語、英語、日本語、ロシア語を使いこなすとされている。平氏は中国当局の発表に反する情報を流すことがしばしばあり、中国で批判されたこともある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)