人民日報系ニュースサイト「人民網」は18日付で「ミャンマー北部の戦闘がエスカレート、偽物の中国製武器が主役」との記事を掲載した。ミャンマー政府軍は「歴史的要因」により中国製の重火器を用いており、小銃としては政府軍・反政府軍ともに、中国の81式あるいは81式の「偽物版」を主に使用と紹介した。

 反政府武装闘争を続けているのは、ミャンマー北部に住むカチン族による勢力だ。1948年のミャンマー独立時から自治権の拡大、さらに独立を目指して活動を続けた。1990年代に政府側と和解。しかし2000年代に中国企業によるイラワジ川にミッソンダムの建設計画が発表されたことで、武装闘争を再開した。

 ミャンマー政府もミッソンダムの建設計画を中止するなどで対応し、2013年には停戦で合意したが、その後再び戦闘が始まり、エスカレートしているという。

 人民網は、ミャンマー政府軍は「歴史的要因」により中国製の重火器を用いていると紹介。さらに「第三国から中国の81式突撃歩兵銃の生産技術を獲得した。ミャンマー軍内で81式銃は“中国版AK”と呼ばれている」と解説した。

 「AK」とは、AK-47(1947年式カラシニコフ自動小銃)を指す。49年にソ連が制式採用した軍用小銃で、操作が容易であることや際立った耐久性、低コストで製造が可能などの特徴があり、コピー製品を含め世界中に広まった。

 記事は、ミャンマーで反政府勢力が81式銃のコピーを使い始めた経緯について、「武装勢力が、政府軍が使用していたミャンマーで作られたコピー品の81式銃を大量に鹵獲(ろかく)」し、さらに「血と火の中で得た教訓により、武装勢力の“土着リーダー”らは“中国のAK”の優秀さを目のあたりにしていた」ことで、現地の簡易な武器工場で“増強版パクリ銃”を生産しはじめたと記した。

 記事は、ミャンマーでは81式銃を改造して、手榴弾(しゅりゅうだん)を発射できるタイプの銃(グレネードランチャー)も登場したなどと紹介した。

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◆解説◆
 81式自動歩兵銃(81式自動歩槍)は中国軍が81年に採用した軍用小銃。AK-47の国産化モデルの後継として開発されたが、全軍への配給が終了する前に旧式化し、その後に採用された95式、あるいは03式の自動歩兵銃に更新されつつある。

 AK-47については、「極めて使いやすい武器」との評価が確立しているが、一方では、コピー品を含め世界各地に広まったことで「内戦の長期化やテロを含む犯罪の拡大」を助長したとの指摘もある。開発者のミハイル・カラシニコフ氏(1919-2013年)は、社会主義労働英雄称号を2度も授けられるなどソ連・ロシアの英雄だったが、晩年になり立ち上げた時計ブランド「カラシニコフ・ウォッチ」のケースに「テロリズムのない自由な人生を」とのメッセージを刻印した。

 カラシニコフ氏の真意は不明だが、武器が際限なく使われ、テロなどが発生する状況を「望ましくないこと」と認識していたことは間違いないだろう。

 ミャンマー内戦で、政府軍・反政府組織ともに81式銃あるいはその模造品が使われている状況は、中国にとっては責任の有無は別にしても「憂慮すべき状況」のはずだが、人民網はその点には触れず、あくまでも「軍事情報」を紹介することに徹しており、「自国の81式銃が優秀だから、ミャンマーで模造品が作られるようになった」との書き方をしている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)