米国の大手旅行専門インターネット・メディアの「トラベルズー(Travelzoo)」はこのほど、オーストラリア、日本、中国(大陸部)、香港、台湾に住む会員を対象に「2015年に訪れたい旅先」を質問するアンケート調査の結果を発表した。台湾、香港、中国では「2014年」について行った調査に引き続き、「日本」と回答した人が最も多かった。日本人で、訪れたい旅先に中国を選んだ人は、いずれも10位以内に入らなかった。

 トラベルズーは日本、中国大陸、香港、台湾、オーストラリアの会員4322人を対象に「2015年に訪れたい旅先」についてのアンケートを実施した。

 調査対象とした地域で、「2015年に訪れたい旅先」に日本を選んだ人が最も多かったのは台湾で、前回調査の「2014年に訪れたい旅先」の調査結果よりも3ポイント増56%が、「2015年に訪れたい旅先」に日本を選んだ。第2位はスイス(22%)で、以下は第3位のイタリア(20%)、第4位の米国(20%)、第5位のモルディブ(19%)と並んだ。日本は第2位のスイスにも大きな差をつけた。

 香港では、「2015年に訪れたい旅先」が前年比6%増の49%だった。第2位はオーストラリア(31%)、第3位は韓国(28%)、第4位はモルディブ(25%)、第5位はタイ(21%)と並んだ。

 香港でも、「日本」を選んだ人が最も多かったが、台湾ほど「行きたい旅先」として日本が突出しているわけではない。また、香港では「行きたい旅先」として韓国が2014年、2015年ともに第3位と安定している。なお台湾で「行きたい旅先」に韓国を選んだ人は、14年、15年ともに第10位以下の「圏外」だった。

 中国が「2015年に行きたい旅先」として日本を選んだ人は前年比11ポイント増の40%だった。第2位から5位までは米国(31%)、ニュージーランド(27%)、オーストラリア(26%)、台湾(25%)だった。

 日本が「2015年に行きたい旅先」として選んだ第1位から第4位までは米国(38%)、日本(28%)、イタリア(22%)、フランス(20%)、スペイン(18%)で、オーストラリアと台湾がとも17%で続いた。

 日本で「行きたい旅先」に中国(大陸部)を選んだ人は2014年、15年ともにランキング10位以下の「圏外」だった。香港でも、両年ともに「圏外」だった。

 台湾では「2014年に行きたい旅先」に中国を選んだ人が21%で第3位だったが、「2015年に行きたい旅先」では15%で第9位と、大きく後退した。

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◆解説◆
 台湾では大陸との交流活性化を政策の柱のひとつとしてきた馬英九総統が、大陸とのサービス貿易の制限解除や市場の大幅開放を盛り込む「海峡両岸サービス貿易協定」締結についての大陸側との協議を2011年3月に始めたが、協定内容そのものと強引な進め方に問題があるとして、14年3月から4月にかけて、反対する学生らが立法院(国会)を占拠するとの事態になった。

 馬総統の「大陸との交流活性化」は結果として台湾で、「大陸に旅したい」という“友好感情”を減じたと考えることができる。

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 中国大陸、台湾、香港という中華圏社会の主要地域で、旅先としての日本の人気が安定して高いことは、日本の「国力」、なかんずく「ソフトパワー」の強さの表れと考えてよい。

 大陸からの観光客については、マナーの問題で眉をひそめる日本人も少なくはないが、「来てもらえるうちが花」ということは事実だ。歴史的にみても、古代ローマ、中国の長安など、さらに現代では米ニューヨークなど、繁栄した国の主要都市は、国際色が濃厚だった。外国人や外国文化が流れ込む中で、「現地社会が本来もつ、本質的な長所」をいかに保つかは、外国人側でなく、むしろ「本来からの住人にとっての課題」だった。

 古代ローマや長安などでは、繁栄を失うとともに訪れる外国人も少なくなり、国際色は薄れていった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)