中国のニュースサイト「環球網」は22日「中国の潜水艦の最大のライバルか? 日本の『そうりゅう』の航続力は原潜(原子力潜水艦)に匹敵」と題する記事を掲載した。「そうりゅう」について、航続距離だけでなくさまざまな技術が込められている、性能が極めて高い潜水艦と紹介した。

 主に注目したのは「航続性能」と「静粛性」だ。「航続性能」といっても問題にしたのは「潜航航行」で、4ノットという低速ならば3週間程度の行動が可能との見方を紹介。「原子力潜水艦に匹敵」、「驚くべき航続距離は、戦術的運用に大きな弾力性をもたらした」などと論評した。

 静粛性については「騒音は潜水艦にとって最も致命的になる」と紹介した上で、「そうりゅう」は素材の研究から構造に至るまでの研究で、敵に探知される危険性を50-75%も低減と紹介した。

 さらに、日本の軍事専門誌「丸」の見方として、「(日本は)潜水艦の保有数を2018年までに、現状の16隻から22隻に増やす目標を持っている。防衛相は『そうりゅう』の建造計画で、8隻(という当初予定)を突破するだろう」と述べた。

 日本が「そうりゅう」型潜水艦をオーストラリアに売る意向があることには特に反発せず「建造費が高額であり、コストを引き下げるためには、外部への売却は必然的な選択」と、理解を示した。

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 「環球網」は中国共産党機関紙の人民日報系の国際専門紙である環球時報が運営するニュースサイトだ。環球時報とともに、極端な愛国論調でファンを増やしてきたとされる。

 軍事面についても、中国軍や中国製兵器の優秀さを強調することが多かったが、最近では、日本の兵器のレベルの高さを紹介する記事が目立つようになった。

 中国では新華社も11月28日付で、自国軍や自国製兵器の優秀さを強調する論調を批判し、「世界のレベルより30-40年は遅れている」と指摘する記事を配信した。

 さらに、中国の艦上戦闘機「殲15(J-15)」は航空母艦の遼寧から発進させる場合、搭載できる武器の重量が2トンであり、陸上基地から離陸する場合の12トンよりも極めて少ないとの記事も発表された。

 中国で、自国の兵器や軍事力を極端に賛美する論調は紅褲衩(ホンクーチャー=赤パンツの意)と呼ばれる。ローマ字の頭文字を取って「HKC」と書かれる場合もある。「HKC」派の人と、排他的な“愛国主義者”の層は、かなり重複している。

 逆に、自国軍や兵器の水準に対する悲観的見方は「白褲衩(白パンツ)」と呼ばれる。

 上記記事では「そうりゅう」に対する「敵」との表現を使ったが、現時点で「そうりゅう」と対決または対抗する可能性があるとすれば、「中国海軍」と考えるのが自然だ。

 つまり、上記記事を含め「白パンツ」系の情報は、「日本、ひいては米国に軍事力で対抗するのは難しい」とのイメージを広める効果があると考えられる。

 自国軍や自国製兵器の能力の限界を紹介する記事が増えた背景には、中国当局が極端な愛国論調にブレーキをかけはじめたと解釈できる。そうだとすれば、習近平政権が対外との協調路線に傾きつつある可能性がある。(編集担当:如月隼人)(写真は環球網の22日付報道の画面キャプチャ)