環球網など中国メディアは21日、米国における報道を引用し、中国が保有する艦上戦闘機である殲15(J-15)は航空母艦の遼寧から発進させる場合、搭載できる武器の重量が2トンであり、陸上基地から離陸する場合の12トンよりも極めて少ないと報じた。

 記事によると、中国は当初、遼寧に搭載するため、ロシアからスホイ33(Su-33)を購入しようとした。しかし、中国がロシアのスホイ27(Su-27)のコピーを生産していることを知り、ロシアはスホイ33の売却を拒否した。

 そのため、中国は改めて殲15を開発。記事は殲15について、基本設計はスホイ27だが、電子装置やエンジンなどは中国の開発によるものと指摘し、殲15は陸上基地から離陸する場合には、武器類12トンの搭載が可能との見方を示した。

 殲15は航空母艦の遼寧に搭載されているが、記事は遼寧がカタパルトを供えていないと指摘。そのため殲15は燃料を満載して遼寧から発進する場合に、搭載できる武器は2トン以下との見方を示した。

 さらに、中国の艦載機は空中空輸の能力もなく、艦載機運用の問題はさらに大きくなるという。また2014年10月時点で中国が運用可能な殲15は、航空母艦1隻が必要とする機数には全く不足している11機のみという。

 同記事は中国の052C、052Dシリーズの駆逐艦、056シリーズ軽護衛艦についても解説した。

 052C、052Dシリーズの駆逐艦については空母強襲揚陸艦など、さらに高価な艦を保護するための防空任務を担い、外観は米海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦や英海軍のらデアリング級駆逐艦に類似していると紹介。

 056シリーズ軽護衛艦については「世界で最も完全に武装した艦船ではないかもしれないが、短期間のうちに世界で最も数の多い軽護衛艦になる可能性がある」と論じた。

 056シリーズ軽護衛艦は2014年に10隻が完成して計23隻になった。各種の変種も含めれば2018年までに50隻が完成するとされる。

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◆解説◆
 第二次世界大戦で航空母艦を活用させたのは、日、米、英、仏など限られた国だけだった。英・仏が他の艦船の攻撃や輸送任務に航空母艦を使用したのに、日米両海軍は航空母艦軍同士の大規模な作戦も実施した。

 現在、航空母艦を保有しているのは米、英、イタリア、インド、ロシア、ブラジル、フランス(ヘリコプター空母を除く)。ただし大規模に運用しているのは米国のみだ。

 空母は単独で行動するのではなく、空母1隻について5-10隻の護衛艦(潜水艦を含む)、1、2隻の補給艦と共に行動する(空母打撃群)。さらに、搭載機も艦上戦闘機、艦上攻撃機、早期警戒機、電子戦機、艦上哨戒機、輸送機と、種類が極めて多い。空母運用のために膨大な資金を必要とすることも、空母を利用できる国が少ない大きな理由だ。

 艦載機が空母から発進する場合には、滑走距離の制約が極めて大きい。現状で最も効率がよいのは蒸気カタパルトとされる。蒸気カタパルトには極めて高度な技術が必要で、製造能力があるのは米国だけだ。

 中国の遼寧は旧ソ連が建造したものだ。そのためカタパルトはなく、前方に向かって上方に湾曲した飛行甲板を利用して艦載機を発進させる(スキー・ジャンプ)。

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 環球網(環球時報)は愛国論調でしられ、中国の軍事力を極端に賛美する記事も多く掲載してきた。ただし最近では、環球網の論調に対してのものに限らず「根拠のない幻想は、かえって害毒がある」との批判も目立つようになった。

 環球網も、以前ほどには自国の軍事力賛美の記事を発表しなくなったようにみえる。

 自国の兵器や軍事力を極端に賛美する論調は紅褲衩(ホンクーチャー=赤パンツの意)と呼ばれる。ローマ字の頭文字を取って「HKC」と書かれる場合もある。「HKC」派の人と、排他的な“愛国主義者”の層は、かなり重複している。(編集担当:如月隼人)(写真は「CNSPHOTO」提供、2013年2月27日に撮影された航空母艦遼寧)