中国共産党紀律検査委員会(中央紀委)はこのほど、山西省高平市の楊暁波市長と中国共産党同省普中市委員会の張秀萍副書記の解任と党籍剥奪を発表した。2人とも女性。理由はいわゆる「腐敗行為」だが、具体的な“罪状”としては地位を悪用して不正に財産を得たなど以外に「姦通(中国語では通姦)」とつけ加えられた。高官に対する不正摘発で「姦通」の語が用いられるのは異例だ。

 中央紀委が楊前市長と張前副書記の解任と党籍剥奪を発表したのは26日。張前副書記については27日、山西省検察が収賄罪で逮捕することを決定した(中国の法律では、検察が逮捕を決定)。

 中央紀委が楊前市長と張前副書記について挙げた罪状は同一で、在任中に「職務を利用して他人のために利益をはかり、不法に見返りを求め、他人から財物を受け取った。巨額であり悪質である」、「他人と姦通した」と表明した。

 これまで、男性高官の腐敗については「異性との不正常な交際」などと発表されることがあった。「姦通」の語を用いるのは異例。

 楊前市長は共産党の高平市委員会の副書記でもあったが(市長職と同時に解任)、同委トップの謝克敏書記とは「犬猿の仲」だったとされる。楊前市長の夫は炭鉱関連会社の経営者で、楊前市長は地位を利用して夫の会社に巨額の利益をもたらしたとされる。金銭面の不正疑惑を追及したところ、楊前市長には地位が高い者から低い者まで多数の愛人と、長期にわたって関係を続けていたことが判明したという。

 楊前市長の前任者は、共産党同市委の謝克敏書記だった。謝書記は6月に、腐敗が発覚して失脚。市長として謝書記の前任者の秦建孝元市長も腐敗行為で失脚しており、高平市では過去10年間の間に、市長3人が連続して「腐敗」を理由に失脚したことになる。

 共産党普中市委員会の張秀萍副書記については、同省トップだった共産党山西省委員会の金道銘前書記の問題と関連しているとされる。金前書記は2014年3月に「腐敗行為」を理由に解任された。

 山西省政府トップは李鵬元首相の長男の李小鵬省長だ。これまでに「李鵬一族」についての腐敗追及が行われるとの噂が出ているが、今のところ動きは見られない。

 ただし、李小鵬省長と極めて親しいとされる華潤集団の宋林董事長については4月に不正の疑いで取り調べ中と発表された。その後の動向は不明。その他、「李鵬一族」とつながりがある人物で取り調べを受けたり有罪判決を受けた者は多い。

 李元首相の次男である李小勇氏はシンガポールに移住した。1998年に発覚した企業絡みの不正事件での「罪を逃れるため」との見方が強い。同事件では企業側関係者で有罪とされて死刑を執行された者も出た。(編集担当:如月隼人)