2012年11月に開催された中国共産党第18次全国代表大会で習近平政権が発足して約2年が経過した。同政権は腐敗撲滅キャンペーンを積極的に進めている。政権発足から11月20日までに失脚した「閣僚級幹部」は55人に達した。地方政府では山西省が最も多く、7人に達した。

 中国では中央・地方の党・政府の役職に共通の階級を設けている。「省部級」と呼ばれる階級は、中央政府組織の正副部長(正副大臣)、共産党の各省委員会の正副書記、省長・人民代表大会正副主任・政治協商会議正副主席などを指す。「閣僚級」といってよい地位だ。

 人民日報系の人民網によると、習近平政権が発足した2012年11月開催の中国共産党第18次全国代表大会以来、腐敗問題で失脚した「省部級」幹部は11月20日までに、55人に達した。ほどんどが男性で、女性は中国共産党山西省委員会統一戦線部張を務めていた白雲常務委員(当時)1人だ。

 中国は全国を31の省級行政区画(含、中央直轄市・民族自治区)を設けている(香港、マカオ、台湾は含まれず)。31の省級行政区画のうち20の区画で「省部級」幹部が失脚した。最も多いのは山西省で7人という。

 中国共産党中央紀律検査委員会は20日、同党河北省委員会常務委員で同委組織部の梁浜部長を重大な規律違反と違法行為の疑いで調査中と発表した。

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◆解説◆
 中国共産党中央は、過去に例をみない厳しい「腐敗撲滅」のキャンペーンを続けている。特徴の1つは、対象が中国共産党中央政治局前常務委員の周永康被告や中央軍事委員会前副主席の徐才厚被告など、これまでなかった「高官」に及んでいる点だ。

 また、異動や退職後、かなりの時間が経過してから摘発の対象になった者がいる点も、過去とは異なる。

 その一方で、周永康前常務委員が2013年に身柄を拘束され(時期は推定)、14年7月29日に起訴されたと発表されたにもかかわらず、「党籍剥奪」の発表がないなど、「抵抗勢力」の存在を思わせる状況もある。

 中国において共産党党籍の剥奪は重要な意味を持つ。共産党員であれば「大きな過ちを犯したが、現在のところは“同志”」との扱いになる。つまり「首の皮一枚残った」ことになる。党籍を剥奪されれば「共産党の敵」、すなわち「人民にとっても敵」ということになる。

 文化大革命中、劉少奇国家主席は党籍を剥奪された。その結果、発病しても治療を受けられないどころか、医療スタッフが暴行を加えられ、その結果、死去した。

 トウ小平(当時は副首相)も失脚したが、毛沢東に党籍だけは残してほしいと懇願し、認められた。トウ小平も地方に送られ厳しい生活を強いられたが、劉少奇に対する扱いとは、おのずから違っていたと考えられる。党籍が残っていたので、文革終了後の復活もかなりスムーズに進められた。(編集担当:如月隼人)