ロシア・中国の両海軍は2015年春、地中海と太平洋で合同軍事演習を行う。訪中したロシアのセルゲイ・ショイグ国防相と中国の常万全が18日に北京市内で会談して、最終決定したという。ロシアではタス通信、中国ではロシア電を受けた中国新聞社などが報じた。

 ショイグ国防相は会談終了後、「ロシア・中国双方とも、軍事において活動範囲が明らかに広がり、体系化を得るようになっているとの認識を示した」と説明。例として、2014年5月に実施した、海上合同演習では、両国海軍は初めて、混成艦隊による戦闘演習を実施したという。

 ショイグ国防相は「われわれは来年(2015年)春に、地中海海域で再び、海軍合同軍事演習を計画している。太平洋地区でも合同演習を計画している」と説明した。

  ショイグ国防相は中国との軍事分野での交流について、「相互協力の面で、極めて大きな潜在性がある。ロシア側には、できる限り広い範囲で協力を発展させる準備がある」と述べた。
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◆解説◆
 中国から艦隊を地中海に派遣するとすれば、西に向かいスエズ運河通過またはアフリカ大陸南端部の喜望峰を回る航路と、東に向かいパナマ運河通過またはアメリカ大陸南端部のマゼラン海峡を回る航路、さらに氷山などの状況にもよるが、北極海を経由して北海に出る航路も考えられる。

 中国海軍の遠洋進出の実績では、まず2008年にソマリア沖の海賊対策のために、3隻からなる艦隊の派遣を始めたことがある。また2013年10月には、ミサイル護衛艦、ミサイル駆逐艦、総合補給艦3隻からなる中国海軍艦隊が、マゼラン海峡を初めて通過した。

 ロシア海軍には、北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊、カスピ小艦隊がある。中国海軍との合同演習に、これまで参加してきたのは太平洋艦隊。地中海での合同演習には、黒海艦隊が参加することが考えられる。黒海艦隊の主要基地であるセヴァストポリはウクライナ領で、ロシアが2014年3月に自国領への編入を宣言したが、国際社会では多くの国が認めないなどで、深刻な争点になっている。(編集担当:如月隼人)