香港メディアや中国の簡易投稿サイト「微博」(ウェイボー、中国版ツイッター)は、中国海軍の馬発祥副政治委員(中将)が17日までに、当局の調査を受けた後、飛び降り自殺をしたとする情報を次々に流した。「微博」では同日までに、中国海軍南海艦隊装備部の姜中華部長(少将)が9月2日に飛び降り自殺をしたとする情報も流れた。陸軍関係でも、取り調べを受ける高官が続出している。

 馬副政治委員、姜装備部部長ともに、汚職などいわゆる「腐敗」の疑いで、調べを受けていたとみられる。

 馬副政治委員は、「当局による調査」の後、北京市内の海軍大院のビル15階から飛び降りたとされる。

 中国は軍内に「政治委員」という役職を設けている。社会主義国において執政党による軍の「絶対的支配」を確立するために設ける「政治将校」の1種で、馬中将の役職の政治副委員は、中国共産党が海軍を統制するための「ナンバー2」の地位ということになる。

 姜姜装備部部長については、9月2日に故郷である浙江省市舟山市内のホテルから飛び降り自殺したとの情報が流された。役職だった中国海軍南海艦隊装備部部長は、各種調達の責任者であり、中国軍ならずとも「利権」が絡みやすい地位と言える。

 南海艦隊は、中国人民解放軍海軍の三大艦隊のひとつで、台湾海峡南西海域、さらにベトナムやフィリピンとの間で領有権争いがある南沙諸島(スプラトリー諸島)、西沙諸島(パラセル諸島)なども担当区域とする、中国海軍の中でも、「最も緊張度が高い」艦隊だ。

 中国人民解放軍については、総後勤部の劉〓副部長、苑世軍・湖北軍区の元司令員(司令官)寇鉄・黒龍江省軍区の元司令官も、王愛国・瀋陽軍区聯勤部元部長も軍紀律委員会により身柄を拘束され、取り調べを受けているとの情報がある。(〓はさんずいに「爭」)

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◆解説◆
 これまでのところ、腐敗の疑いで調べを受けている中国軍高官は、2014年6月に収賄行為での訴追が決まった徐才厚前中央軍事委員会副主席の事件に関係しているとされる。

 徐才厚前副主席は、2007年の第17回共産党大会で選出された中国共産党中央軍事委員会で副主席を務めた(人気は2012年秋まで)。同委員会は計12人で、トップは胡錦濤主席(党総書記、国家主席)。副主席は3人で、上位から習近平(現軍事委主席、党総書記、国家主席)、郭伯雄、徐才厚の各氏。徐才厚前副主席は当時、中国軍で「ナンバー4」の序列だったが、「腐敗摘発の嵐」が、序列がもう1つ上の郭伯雄に及ぶ可能性があるとの見方もある。(編集担当:如月隼人)