ソチ五輪金メダリストの羽生結弦が8日に行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦で、負傷しながらも出場を強行したことについて、中国メディアの央視網は9日、「フィギュアスケート男子シングルでもっとも悲しみに満ちた一戦だった」と伝える一方、羽生の演技に会場の観客たちは感動で涙を流したと報じた。

 記事は、「GPシリーズのうちの1戦にすぎない大会だったが、深い感動があった大会だった」とし、感動をもたらしたのは羽生と中国人選手の閻涵(エン・カン)だったと紹介。両者は公式練習中に激しく衝突し、両者ともに試合出場が危ぶまれたと伝えた。

 続けて、「羽生と閻涵が激突した瞬間、騒がしかった会場は一気に静まり返り、会場の観客たちは両者の無事を祈るばかりだった」と伝えた。さらに、会場の誰もが両者の試合出場は絶望的と考えていたはずだとする一方、2人の華奢な美少年は頑強にも試合に出場したとし、「まるで負傷した兵士が弾丸の雨が降る戦場に戻っていくかのようだった」と喩えた。

 さらに記事は、激突の影響から両者は納得のいく演技ができなかったとする一方で、「演技中に転んでは起き上がり、それでも滑りきった両者に対し、もはや成績を気にする観客はおらず、ただただ2人の勇敢さを脳裏に焼き付けるだけだった」と報じたほか、2人の若い選手によってフィギュアスケートの魅力はさらに一段と昇華することになったと論じた。(編集担当:村山健二)(写真は央視網の9日付報道の画面キャプチャ)