「ドーン!」という音が響いた。集合住宅の住人全員が腰を抜かした。建物が揺れた。ガス爆発だった。爆発が発生した部屋では、住人の1人が室内のガス管の配置を「勝手に」改造していたことが分かった。安全性を考慮しない改造の結果、漏れたガスが爆発したとみられている。厦門網などが報じた。

 爆発が発生したのは、福建省厦門(アモイ)市内の集合住宅。30日午前11時すぎだった。巨大な爆発音が、集合住宅の棟全体の住民に聞こえた。全員が、腰を抜かすほど驚いた。

 爆発を起こしたのは9階の部屋だった。昼前の時間帯で、同部屋に住む高齢者1人が、調理をしていた。いきなり、爆発に「包まれ」た。直後に、ばらばらになった天井板が落ちてきた。同じ棟に住む住民が駆けつけたところ、爆発をおこした部屋住人の服には焼けてできた穴が何カ所も開いていた。焦げ臭い煙がただよった。

 管理人もやってきて、ガスの元栓を閉じた。

 同部屋は昨年(2013年)に内装工事を行った。その際に、ガス管の配置を改造した。部屋の東側から西側に向けて、管を延長した。規格を満たさない長いゴム管を使っており、ガス漏れを起こした可能性が高いという。

 建物管理人は居住者が自らの考えだけでガス管を改造することは禁止されていると説明。改装の必要がある場合には、まずガス会社に申請することが必要だ。さらに、工事を担当するのは専門の技術者でなければならない。爆発を起こした部屋からは、規則に違反して取り付けたゴム管部分を外させたという。

 同爆発で火災は発生しなかった。死傷者も出なかった。

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◆解説◆
 中国では、ガス爆発がしばしば発生している。マンションにおける爆発の場合、規則に違反した改造がガス漏れの原因になっている場合もある。ガス料金を払わず利用しようと、廊下部分のガス管から自室に管を引き込み、漏れて爆発した例もある。

 2013年6月には湖南省で、自殺を図って故意に室内に放出したガスが、自殺を思いとどまった後に爆発した。男性が交際していた女性に別れ話を持ち出したところ、女性が自殺すると言い出した。男性も「自分も死にたい」と言い、2人で死ぬことにした。

 2人でベッドに横たわり、寝室に持ち込んだガスボンベの栓を開けた。ガスの匂いが充満してくると2人とも冷静になり、「やはり自殺はやめよう」と思いとどまった。ガス栓を閉め、窓を開けて換気した。男性はトイレに行き、部屋の入口のところまで戻って来て、たばこを吸おうと火をつけた。ガスが残っていて爆発したという。ふたりはやけどなどのけがをした。

 2014年になり、男性に懲役1年の有罪判決が言い渡された。ただし、「減刑1年」付きの判決で、実刑は免れたという。中国でしばしばあるケースだが、女性に対してすみやかに、医療費や補償金を支払ったことで、裁判所が「反省し被害者に対して誠意を尽くした」と判断し、刑を軽くしたと考えられる。中国のインターネット・メディアの紅網によると、裁判所は被告の男性に対して過失爆発罪を適用した。

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 なお、家庭などで使う「LPガス」のボンベ入りのガスの成分やブタンやプロパンで、中毒性のある一酸化炭素は用いられていない。日本では都市ガスも一酸化炭素を用いないタイプにすべて切り替えられた。部屋など閉鎖された空間に放出した場合、酸欠症状が起きることは考えられるが、多くの場合は爆発により大やけどを負うことになると考えた方がよい。(編集担当:如月隼人)