台湾・蒙蔵委員会の蔡玉玲委員長が13日、ダライ・ラマ14世が訪台を求めるなら歓迎すると発言したことに対し、中国政府・台湾事務弁公室の範麗青報道官は15日の記者会見で、「ダライは宗教の衣をまとい、一貫して国家分裂の活動に従事してきた。このような者が訪台すれば、(中国大陸との)両岸関係を損ねるだけだ」と猛反発した。

 蒙蔵委員会は中華民国政府が1912年に設けた蒙蔵工作処(モンゴル・チベット作業局)が源流で、民国政府が国共内戦に敗れ台湾に移ってからも存続した。中華人民共和国の支配地域での活動はできなくなったが、チベット亡命政府やモンゴル人民共和国(現モンゴル国)との交流は続けた。1990年ごろからは、チベット文化を海外で紹介する活動も手掛けた。

 蔡委員長は13日、台湾立法院(国会)の内政委員会で、国家と全人民の利益を考慮したとして「ダライ・ラマは今世紀における非常に重要な政治指導者であり、台湾でも多くの人々が信じている。もし、再び台湾を訪問したいと求めるなら、歓迎する」と述べた。

 蔡委員長は内政委員会で、当局に抗議するとしてチベット人が焼身自殺する件が発生していることについて「蒙蔵委員会は非常に悲痛な思っている。大陸当局に対して何度も、チベット族の宗教、言語、文化の特殊性を尊重し、理性を持ち、平和的で、包容力のある方法でチベット人の訴えに対応すべきだと、何度も声明を発表している」と説明した。

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◆解説◆
 ダライ・ラマ14世は1997年、2001年、09年に台湾を訪問した。97年には李登輝総統(当時)、01年には陳水扁総統と会談。09年の訪台時には馬英九総統とは会わず、民進党の蔡英文主席と会談した。

 台湾政府としてチベットの独立を承認しているわけではないが、チベット亡命政府閣僚が台湾の立法院を訪問したことがあり、チベット亡命政府の旗を中心にして撮影した記念写真も発表された。

 モンゴルについて、中華民国政府は1924年に成立を宣言したモンゴル人民共和国を当初は承認しなかった。1946年になりいったんは承認したが、1953年に事実上の承認取り消しを行った。しかし2002年には「事実上の国家承認」を行い、ウランバートルに台北貿易経済代表処を開設した。(編集担当:如月隼人)