広東省におけるデング熱の大流行には「人災」の側面があることが分かった。集合住宅の住人が住人がごみを分別もせず回収場所にも運ばずに、共有スペースに放置するなどで、大量のごみが蚊の発生源になっているという。回収人がデング熱を発症し、さらに大量のごみが山積みになったケースもあった。信息時報などが報じた。

 デング熱など多くの病気を媒介するのが蚊だ。野ざらしにした容器に雨水がたまり蚊の発生源になることは常識だ。放置された古タイヤ、ビニールシートなど、さらにポイ捨てされ放置された空き缶やごみの中にあるプラスチック容器など、「ほんの少しのたまり水」も、蚊の発生源になる。

 広東省では、住民にごみをきちんと処理する習慣がないことがデング熱の流行に拍車をかけているとの指摘が出た。同省でデング熱の確認感染者は7日午前0時までに2万3146人に達した。都市別では最も多いのが広州市で1万9631人。広州市で感染者数が最も多いのは白雲区の5582人だ。

 白雲区内のあるマンションでは、10月5日までの1週間あまり、ごみが回収されなかった。同マンションは2階部分までの建物面積が広く、その上が開放された共有スペースになっている。規則では、建物の外ににあるごみ回収スペースに分別したごみを出すことになっているが、住人は守らない。

 多くの人が階を途中までしかおりず、建物3階部分にある露天スペースにごみを放置する。分別もしない。管理側がルールを守るよう呼びかけても、「管理費の一部はごみ処理代になっている。カネを払っているのだから、こちらの要求通りにしろ」とねじ込まれる。

 回収作業員はやむをえず、3階まで登ってきてたまったごみを持ち去ってきた。露天に放置された置かれたごみの中にある容器などに雨水がたまっている。蚊にとっては格好の産卵場所だ。

 それにしても、1週間あまりも放置されたごみが回収されないのはおかしかった。ごみはたまりにたまった。ハエが音を立てて飛びまわった。ごみの袋からは汚水が流れ出た。えもいわれぬ悪臭が周囲を満たした。

 住人は次々に管理側に対して苦情を言った。管理側は「雇っているごみの回収作業員が、デング熱を発症して勤務できなくなった」と説明した。

 広東省では10月になり、デング熱の感染拡大を食い止めるには殺虫剤などを噴霧するだけでは不十分で、生活環境の中にあふれるごみをきちんと処理する必要があると指摘されるようになった。メディアは「ごみは情け容赦ない」と訴え始めた。

 広州市城市管理委員会(都市管理委員会)が4日、市内各地で衛生環境を調べたところ、緑地帯や路地に散乱している弁当箱などが蚊の発生源になっていることが分かった。ごみの回収所に置いているごみ容器の蓋がなく、内部に水がたまっている例もあった。ヘドロやごみが詰まって汚水がたまっている側溝なども多かった。工事で開けられた穴が放置されて水がたまっているケースもあった。いずれも蚊の発生源になっていた。

 特に蚊の発生源になっていなくとも、大量のごみが放置いる場所が、いたるところにあった。大量の生ごみが腐敗して悪臭を発し、ネズミが走り回っている場所も多かった。

 広州市当局は5日までに、「愛国衛生運動」を開始。市民や各職場に対して、「ごみや放置されている不要物を処理する」、「不要な穴は埋める」、「側溝などを掃除して水が流れるようにする」ことなどを求めた。市当局は市民に「蚊の駆除をしっかりしよう。自分個人の身を守ろう」と呼びかけた。

 白雲区のマンションの露天部分に放置されていた大量のごみは、5日なり回収されたという。(編集担当:如月隼人)