ベトナムのファム・ビン・ミン外相(副首相兼任)は24日、米国がベトナムへの武器輸出を解禁する方向で検討している件で、両国が徐々に関係を正常化している中での措置のひとつであり、歓迎するとの意向を示した。「中国を怒らせるとの考えはないのか」との質問があったが、回答は「笑い」だったという。中国新聞社などが報じた。

 米国政府はベトナムに対する武器輸出を解禁することを検討しており、年内にも哨戒機のP-3を売却する可能性があるという。米国としてまずは、武装のない機体を輸出する方向だが、ベトナムの海岸線監視力と防衛能力を強化したい考えがあるという。

 ベトナムのファム外相は「武器の輸出解禁は、米越関係が徐々に回復・正常化している過程における正常な措置」、「この数カ月、米越関係の正常化は加速している。両国は一連の外交や軍事のハイレベル会議を行ってきた」と述べた。

 ファム外相は、「ベトナムと中国、およびその他の国の南シナ海における紛糾は、この地域で出現している、人々を最も心配にさせている熱い問題」と説明。しかし、「米国がベトナムに対して武器輸出を解禁することいが、中国を怒らせるとの考えはないのか」との質問があったが、回答は「笑い」だったという。

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◆解説◆
 軍用機の輸出は、ただ機体を売却するだけでなく、乗員や整備関係者、運用関係者が米国に行き、訓練を受けることを意味する。人の交流が増大することで、信頼感も増すと考えてよい。

 かつてF-15のパイロットをつとめた航空自衛隊隊員によると、米国で訓練を受けた際には訓練以外の時間には、米軍パイロットやそれ以外の国のパイロットとの交流ができた。互いにいたずらなどもして楽しかったという。

 米国は1950年に始まった朝鮮戦争を機に、中国への輸出を厳しく制限する対中国貿易統制委員会(CHINCOM、チンコム)を設立。チンコムは57年に対共産圏輸出統制委員会(COCOM、ココム)に吸収された。ココムはソ連崩壊を受け、94年に解散した。

 米国はかつてに比べればゆるやかだが、中国に対しては今も、武器そのものだけでなく軍事転用可能製品や技術の輸出を規制している。中国側は米国に対してしばしば、米国の対中赤字が続くのは、米国側が輸出規制をしていることが大きな原因と主張し、米国を批判する。米国がベトナムに対する武器輸出を最終決定すれば、中国側の反発がさらに高まる可能性が高い。(編集担当:如月隼人)