中国政府・国務院台湾工作弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は24日に行った記者会見で、「台湾問題とスコットランド問題は性質が完全に異なる」と述べた。ただし、何がどう異なるかには言及しなかった。

 記者からの「英国のスコットランド地区で9月18日に、独立をめぐる住民投票が行われたことが、台湾では多くの人の注目を集めました。台湾で将来、統一か独立かをめぐる住民投票をするのでしょうか」との質問が出た。

 馬報道官は「政府外交部はすでに、われわれの立場と態度を表明している。ここで強調しておきたいことは、台湾問題とスコットランド問題は性質が完全に異なることだ。われわれは、ひとつの中国という原則を堅持しており、台湾の独立、分裂には一貫して反対している。これは確固たる不動のものである」と述べた。

 中国外交部は16日から19日にかけて毎日記者会見を開催したが、そのたびに記者から「スコットランドの独立問題」について質問を受けた。いずれの記者会見も洪磊報道官が対応したが、毎回「スコットランドの住民投票は英国の内政問題であり、中国側は評論しない」とだけ回答した。

 国台弁の馬報道官は、「台湾問題とスコットランド問題は性質が完全に異なる」と述べた上が、実際に説明したのは台湾問題についての中国側の従来からの立場のみで、「どこが異なるのか」については言及しなかった。

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◆解説◆
 香港で6月に2017年に実施される特別行政区長官の選挙方式についての“住民投票”が実施された。公的な投票ではなく、インターネットなどを利用した「アンケート」だったが、中国政府は神経をとがらせた。

 同“住民投票”では、香港行政長官は西側諸国と同様の民主的選挙で選ぶべきとの考えを示す人が大多数だった。その後中国は、事前に候補者を絞ることで、中国中央と対立する者は行政長官選挙に立候補できない方式を採用することを、正式発表した。

 中国が香港や台湾での“住民投票”に神経をとがらせる理由は主に2つある。まず、中国当局が住民の大多数が反対する政策を主張したり進めたりすることで、国内外からの「民主的でない」との批判を浴びることになるからだ。

 もうひとつの大きな理由は、中国大陸部で“住民投票”の動きが出てきた場合、個別の政策にしろ、総合的な評価であるにしろ「中国当局が国民に指示されていない」とのあからさまな結果が出てしまう可能性があることだ。

 中国では本格的な改革開放政策がすすめられはじめた1990年代、共産党政権の崩壊により生活で経済や庶民の生活が大混乱したロシアを引き合いに「まずは経済改革が必要。政治改革はその後だ」などの発言が相次いだ。

 2000年ごろには、一部の市長や県長について、インターネットを利用した「支持率アンケート」が行われた。発表された結果は、いずれも高支持率を獲得示していた。高支持率の場合にのみ、発表された可能性もある。

 その後、「支持率アンケート」は行われなくなった。本格的な「政治改革」も見えてこないままだ。(編集担当:如月隼人)