香港では2009年ごろから、中国大陸からの“かつぎ屋”に多大な迷惑を受けるようになった。観光目的などと称して入境。実際には、日用品を大量に購入して持ち帰る。特定の品に人気が集まることも多く、香港ではたちまち品薄に。価格高騰や入手困難で迷惑するのは香港住民だ。香港当局は、すでに入境した者の身柄拘束も行っている。現在は「疑わしきは追い返す」と入境を認めない方針を強めており、これまでに延べ1万7700人を「香港立ち入り拒否」にしたという。中国新聞社が報じた。

 香港当局によると、集中取り締まりを始めたのは2009年で、現在までに1331人以上の身柄を拘束した。うち1130人はただちに大陸部に送還したが、201人が起訴され192人は4週間から3カ月の禁固刑になった。9人には禁固刑が科せられなかった。

 少数だが、中国大陸部に品を「かついで」行く香港人もおり、14人が処罰された。。

 当局側によると、(就労の許可を得ていない)香港への旅行者は、給与を受け取るか否かには関係なく、いかなる仕事にも従事することはできない。商売をしていた事実が明らかになれば、最高で5万香港ドルの罰金と禁固2年が言い渡されることになる。

 香港当局はすでに、計1万人以上の「疑わしき者のリスト」を作成しており、これまでに延べ1万7700人を香港入境の際に拒絶した。香港の旅行目的などの質問も行っており「疑わしきは追い返す」方針で臨んでいる。

 商品仕入れを狙って香港を訪れる大陸人が所有するビザは親戚訪問、ビジネス、観光など、さまざまだ。一次ビザの場合もあり、数次ビザを取得している者もいる。

 買い求める商品種としては、2009年から現在までに粉ミルク、紙おむつ、健康食品、スキンケア、薬品、赤ワインなど、さまざまな「流行」があった。香港市民はそのたびに、価格高騰や入手困難で大きな迷惑をこうむった。

 そのため、かつぎ屋の活動は香港人の大陸人に対する反感の、大きな原因になっている。香港内には大陸からのかつぎ屋の活動に対応する組織もできており、香港警察は取り締まりに力を入れている。

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◆解説◆
 香港では、大陸から妊娠した女性が大量に押し寄せ、香港で出産で出産することも問題になった。生まれる子に香港籍を取得されることが目的だった。香港では、低所得者のためには安い料金で利用できる公的医療機関が整備されているが、大陸からの女性が利用するので、香港人も出産の際に高価な私立医療機関を利用せざるをえないケースが相次いだという。

 香港当局が規制を強化すると、中国大陸ではサイパンでの「越境出産」が盛んになったという。

 上記現象は、基本的に人口の問題と解釈できる。「買い出し」や「越境出産」を実行する人の比率が小さい場合でも、全体として大きな人数となり、受け入れる側の社会の許容度をたちどころに超えてしまうことになるからだ。

 香港以外では、モンゴル国も同様の事態に直面したことがある。モンゴル(当時はモンゴル人民共和国)はソ連の衛星国だったため、中ソが対立していた時代には、経済交流もほとんどなかった。

 中ソ関係が改善した1990年代初頭からは、中モ関係も改善し、交流も増加した。モンゴル特産の絨毯(じゅうたん)が中国国内で高く売れることが知られると、中国人が一斉におとずれ、モンゴル国内から払底してしまったという。(編集担当:如月隼人)