香港で17日、2017年に予定されている行政長官選挙を支持するデモが行われた。中国大陸側は同選挙を、「普通選挙」としているが、香港では「民主的な普通選挙とは言えない」として反対運動が活発化している。大陸側の方針を支持する17日のデモは、主催側発表で19万3000人が参加。ただし警察発表では11万1800人、香港大学の民意研究機関では7万9000-8万8000人という。香港で、いわゆる親中派が大規模なデモを組織したのは初めてだ。

 香港では民主化要求グループが6月、2017年の行政長官選出での「完全な普通選挙」実施を求めて、民意調査を実施。中国大陸側では当初、参加者は10万人程度との見方があったが、最終的に80万人近くが“投票”し、87.8%が「真に民主的な選挙でなければ、否定すべき」との考えを示した。

 中国大陸側は同選挙について、「普通選挙」の形式をとることは承認するが、候補者は大陸側が事前選別する方式にしようとしている。民主要求グループは、「民主的な選挙ではない」として反発している。

 民主要求グループは、2017年の行政長官選出で、「真に民主的な選挙が実施されなければ、香港の金融街である中環(セントラル)を占拠すると表明。7月1日には大規模なデモを実施した。

 同デモには主催者発表で51万人が参加。ただし、警察発表では9万8600人にとどまった。一方、香港大学の民意研究機関の調べでは15万4000-17万2000人が参加した。

 8月17日のデモは親中派による「反撃」だった。「平和普通選挙大デモ」と称して、中国大陸側が目指している選挙は「普通選挙」と主張し、セントラル占拠などの動きに反対した。

 参加者人数は、主催者発表では19万3000人、警察発表では11万1800人、香港大学の民意研究機関の調べでは7万9000-8万8000人だった。

 7月1日のデモについて、主催者発表の51万人参加は過大な数字だった可能性があるが、香港大学の調べでは8月17日の親中派によるデモは、7月1日の民主的選挙要求のデモの、半数程度の人数しか集まらなかったことになる。一方、警察発表では、8月17日の親中派によるデモの参加者の方多かった。

 中国メディアは8月17日のデモの参加人数について主催者発表の19万3000人の数字を主に使って報じた。中国新聞社は「デモは、社会の広い層の人々が参加」、「彼らはいずれも、セントラル占拠は違法行為として反対」、「香港基本法と全国人民代表大会の関連規則にもとづき、普通選挙を実施すべきとの心の声を主張」などと報じた。

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◆解説◆
 香港では、民主化を支持するグループが1997年から、7月1日にデモを実施している。参加者は1997年には3000人、98年は40人、99年は500人と小規模だった。しかし、しかし民主化要求団体の民間人権戦線が主催団体になった03年には主催者発表で50万人以上、香港大学によると42万9000-50万2000人、警察発表で35万人と、極めて大規模になった。その後、参加者は再び10万人以下になったが、2011年からは再び、香港大学の調べでは参加者が10万人程度かそれ以上に膨らむようになった。

 香港で、民主化に強い関心を持つ人が増えたのは、「2047年問題」が関係しているとされる。英国と中国は1997年の香港返還に関連して「香港では50年間にわたり、社会主義政策を実施しない」ことを申し合わせた。香港人は当初「かなり長い先」との感覚を持っていたが、2012年になり改めて、「中国側の約束の期限まであと35年」ということで切迫感が強まったという。(編集担当:如月隼人)