日中両国政府の関係が冷却状態にあるなか、両国のネット上ではネットユーザーによる“罵倒合戦”をよく目にする。あくまでもユーザー個人の意見にすぎないと分かってはいても、見ているうちに相手の国に対する嫌悪感を覚えてしまう人も多いのではないだろうか。

 今回紹介する、中国人女性ユーザーが微博(ウェイボー、中国版ツイッター)に残した「つぶやき」も、そのような思いをぶちまけたものだ。「日本のネット上の、中国人に対する見方が本当に腹立たしくて死にそうになる」と始めた「つぶやき」は、「中国人は地球から消えるべき」、「中国人は日本に来るな」といった罵倒を取り上げた。

 そして「あなたたちは本当にわたしたちがやってくることに価値がないと思っているのか」と反論するとともに、「自分はスゴイなどと思わないでほしい」と訴えた。その理由として「日本でだって、日本人が信号無視をしたりゴミを捨てたり酒を飲んで騒いだりしているのは多く見られる」と主張した。

 このユーザーは現在日本で日本語を勉強しているらしく、どうやら世界的に「日本人の民度が高い」ということが評価されていることに苦言を呈したかったようだ。

 「つぶやき」の最後は「別の道を探そう。今の専攻に対して好感が持てない」という言葉で結ばれた。さらに、「今日本語を勉強する最大の原動力は、日本人の罵倒を理解し、反発するためだ」とまで吐露した。

 日本語を勉強し始めたころにはきっと、日本文化や日本社会に対する興味や、日中友好のため、ビジネスで生かすため、といった前向きな動機があったに違いない。それが今や、日本に対する反感が前面に出た「ネガティブな原動力」に変わってしまったのではないだろうか。実に悲しいことではないか。

 ただ、日本人の中にも彼女と同じような心境になった人がいるであろうことを忘れてはいけない。純粋に中国のことを知りたいと思って中国語を学び始めた日本人だって、中国人ネットユーザーによる日本への罵倒を見ればショックを受け、学ぶ気が失せるだろう。

 こんなことで互いに相手に憎しみや嫌悪感を抱く人が増えてしまうのは、非常に残念だ。芽生えてしまった「ネガティブな印象」を拭い去るのは大変なことではあるが、このユーザーにはぜひ「日本人にも自分と同じ気持ちになっている人がいる」と認識し、同じ思いを持つ日本人と心の交流を図ってもらいたい。(編集担当:近間由保)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)