中国政府・外交部の洪磊報道官は16日、英国のニック・クレッグ副首相が同日、香港で民主化実現を要求し、「中国による干渉」を批判している一部活動家と会談したことに対して「英国側のやり方は中国への内政干渉だ。中国は強烈な不満を表明する」などと、強く非難した。

 クレッグ副首相に会ったのは香港政府政務局局長を務めたこともある陳方安生氏と、香港民主党の創設者のひとりでもある李柱銘氏。

 2人はクレッグ副首相に対して、香港返還についての「英中共同声明」の署名国である中国も英国も、香港の現行制度を維持すると定めた「一国二制度」の維持について責任を果たしていないとして、中国中央政府が香港の行政などに干渉していると訴えた。

 クレッグ副首相は、「英国は必ず、『英中共同声明』の実施に尽力する」と述べ、2人が英国議会で証言することも支持するとの考えを示したという。

 中国・外交部の洪報道官は同日中に、英国側を強く非難する声明を発表した。

 洪報道官は「1997年の復帰以来、『一国二制度』が香港で実施されていることは、世界が公認している。香港についての政策は純粋に中国の内政だ。中国政府はいかなる外部勢力が、いかなる口実を設けたとしても、干渉には反対している。英国のやり方は中国への内政干渉だ」と非難。

 洪報道官は「中国側は強烈な不満を表明する」、「英国にはすでに、厳重に抗議した」と表明し、「中号は英国に、中国の立場と関心を尊重し、慎み深く合意事項守り、香港の実務についていかなる方式の干渉もただちに停止するよう促す。悪い影響を消滅させる有効な措置を取り、実際の行動をもって中英関係と両国の協力を維持するよう、促し」と、英国側に求めた。

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◆解説◆
 洪報道官の主張には、やや無理な点がある。香港が中国に返還された以上、「香港問題は中国の国内問題」との主張に、大きな論理的破綻はない。

 しかし、返還後の香港の扱いを取り決めた「英中共同声明」は、言ってみれば中英両国の「契約書」だ。契約を交わしたからには、相手が契約内容を守っているかどうかを確認し、問題があれば異議を唱えることは、契約したもう片方として当然の権利ということになる。

 仮に英国側が香港の現状について中国に対して「異議」を唱えた場合、中国が「再反論」するのは自然なことだ。しかし、現状のチェックそのものを「許されない」というのでは、中国側が国家間の取り決めが持つ「契約」という性格を理解していないことになる。

 逆に言えば、中国が香港における民主化要求に対して、それだけ「危機感」を持っている傍証とも理解できる。(編集担当:如月隼人)